鬼の花火師 玉屋市郎兵衛 上 (宝島社文庫 「この時代小説がすごい!」シリーズ)
鬼の花火師 玉屋市郎兵衛 上 (宝島社文庫 「この時代小説がすごい!」シリーズ) / 感想・レビュー
たんかともま
噴火、花火、セックス。生と結び付く三要素が開始早々に描写され、力強い。また、主人公が花火に魅せられる要因にもなっており、説得力が増している。小嵐作品の登場人物は人として機能しているため、泥臭く、スケベで、カッコいい歴史上の人物をキャラクターとして眺めたい需要とは合わないものの、生々しい、本当の意味での歴史上の人物を味わえる。儚く、清いものとしての女たちが美しく、特に出番が多いわけではない妹が、善なるものとして描かれており、あっけない死に方を含めて印象的だった。また、花火作りの描写が細かく丁寧で勤勉な印象。
2019/09/28
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