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鎌倉うずまき案内所

鎌倉うずまき案内所

鎌倉うずまき案内所

作家
青山美智子
出版社
宝島社
発売日
2019-07-12
ISBN
9784800296528
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鎌倉うずまき案内所 / 感想・レビュー

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さてさて

”大人の階段をのぼる”と言うように階段を一段一段上がっていくということは、人が成長していくということでもあります。そんな階段を降りていくように他人の人生、今そこに輝いている人の過去の姿を見るこの作品。”きっかけ”、”起点”を大切に描く青山さんが綴るこの作品。それは、今を生きる人たちの三十年の時間を遡ることで、そんな彼らの苦難の歴史を紐解く物語。過去を遡っていく画期的な構成が、そこに驚きと感動を紡ぎ出す物語。青山さんなりの拘りをふんだんに盛り込みながら小説の一つの可能性を提示した画期的な作品だと思いました。

2021/09/15

けんとまん1007

6編からなる短編集でありながら、タイトルにある「うずまき」のように、繋がっている1冊。こんな案内所があったら、自分はどうなんだろう?人は、ちょっとしたきっかけで、明日が開けることがある。自分では気づかないだけで、実は、自分の中に答えを持っていると、よく耳にする。そんな気づきに導いてくれる「うずまき」。もしかして・・・他の著作とも繋がっているような気がしてきた。

2019/11/03

ウッディ

やる気のでない雑誌編集者、息子の進路に悩む主婦・・人生にはぐれてしまった人がたどり着いたのは「鎌倉うずまき案内所」。双子の老人とアンモナイトが示してくれた道標で好転する連作短編集。平成の時代を六年毎に遡っていく構成とあちこちに張り巡らされた伏線がきれいに回収されていくのが気持ち良い。そして、一つ一つの物語が優しく、心に響く。特にクラスで孤立したくない女子中学生の話が良かった。1話の脇役ノギちゃんの中学時代、素敵な想いでを胸に夢をかなえたのがジーンとした。とっても面白かった。青山美智子さん、おすすめです。

2020/10/03

ひめか*

1989年から2019年までのお話が時代を超えて描かれる連作短編。若い頃苦労していた人が近年立派になっていたり、甘酸っぱい青春を味わった人が夢を叶えていたり。みんなの人生が渦巻きのようにぐるぐる交差していくのが胸にグッとくる。どの時代にも何かにはぐれた人の前に現れる、鎌倉うずまき案内所。ファンタジーながらも、それぞれの出来事は現実味があって共感!希望じゃない部署で働く意義を感じられなかったり、友達に合わせる面倒な青春時代とか。私はヒロチューと近い世代で時代背景も懐かしくてタイムスリップのようで楽しかった!

2023/02/06

まちゃ

少し心が軽くなり、そして繋がっていく奇跡の物語。青山さんらしい期待通りの一冊でした。古都・鎌倉で「はぐれた人」が訪れる、古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。そこには双子のおじいさんと所長のアンモナイトが待っていた。平成時代を6年ごとにさかのぼりながら、6人の悩める人びとが「気づくこと」でやさしく強くなっていく。2019年蚊取り線香、2013年つむじ、2007年巻き寿司、2001年ト音記号、1995年花丸、1989年ソフトクリーム。時々の世相もどこか懐かしい。

2021/06/10

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