シモーヌ・ヴェイユ (別冊水声通信)
シモーヌ・ヴェイユ (別冊水声通信) / 感想・レビュー
おおた
ロマンチックと峻厳さに憧れてヴェイユを読み始めたわたしにとって、歴史的にどのように彼女が受容されて否定されてきたか、多くの研究者の論考をまとめて読める貴重な一冊。ヴェイユの虚無に浸りつつ本書で現実に戻っていきたい。ヴェイユはカミュやバタイユによって発見され、論旨は否定されながらも文に込められた美しいほどの緊張感は誰もが感嘆するものだった。バタイユはヴェイユに会って彼女を醜いと評したらしいが、単に顔の造形だけではなく汚れた黒い服を着ておしゃれをしないことを指摘したらしい。そこは本質でないのに。
2018/09/08
月
興味深い論考が数多く収録(全21論考)されている一冊だった。特に興味引かれたのは、バタイユ(福島勲訳)の「シモーヌ・ヴェイユの性格」、その翻訳者・福島氏の「違う穴の同じむじな(忠誠なヴェイユと至高なバタイユ)」、渡名喜庸哲氏の「カタストロフ前夜のシモーヌ・ヴェイユ」、岩野卓司氏の「シモーヌ・ヴェイユの狂気」など。
2022/04/27
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