《人間》への過激な問いかけ: 煉獄のフランス現代哲学;上 (水声文庫)
《人間》への過激な問いかけ: 煉獄のフランス現代哲学;上 (水声文庫) / 感想・レビュー
とみぃ
小林康夫さんの本は、言いしれぬオーラを伴いながらも、その文はちんぷんかんぷん、しかしある瞬間に目を見開かされる文章や引用文に出会う、そんな経験を与えてくれる。本書では、フーコーについての思索の中で出てくる「作品の不在」をめぐる引用、「世界の歴史の大いなる作品は、ひとつの〈作品の不在〉に消しがたくつき従われている」という言葉に引きつけられた。そうした熾熱と特異性によって裏打ちされているだろう本であるにもかかわらず、OCRの識別ミスと思われる誤字があちこちに見られたのは、ちょっと笑っちゃったけどやっぱ残念。
2021/02/27
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