FKBふたり怪談 伍 (竹書房文庫)
FKBふたり怪談 伍 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
名前に黒の字がつくお二方、史郎さんは都会でライトな陽、あるじさんは田舎で重めの陰と作風の違いを実感しましたね。『騒音トラブル 嘲笑』黒史郎:岡村さんは会社の同僚達と飲みに行って次の店の代わりに自宅マンションに皆を招いて家飲みするが、夜中に同僚の一人の具合が悪くなり救急車で運ばれ急性アルコール中毒で亡くなる。翌朝、病院から帰ると玄関のドアに「夜は静かにして下さい」と隣人からの張り紙があり、彼は救急車が去った後に大勢の男達のゲラゲラという不快な笑い声を聞いたと言うが皆で病院へ行ったのだから有り得ないのである。
2020/09/12
HANA
実話怪談集。今回は熟練の二人って事で危なげなく読める作品が多かったのだが、裏返せば後に残る話が少なく感じた。読みすぎて感覚が麻痺してきているのかな。でも黒史郎なら「しゃかしゃんしゃん」、黒木あるじなら民話調の作品で揃えると見せかけて、最後に楽屋落ちみたいな取材に関する話を持ってきて、喉に刺さった小骨みたいな、妙に後を引く嫌さを持った作品があるのが嬉しい。いや、一冊丸々読んでこういう話が一篇も無い実話怪談って多いのよ。しかしこういう狭い分野で独特の立ち位置を持った人って強いな、と黒木あるじを読みながら思う。
2015/03/09
ラルル
面白いに決まってる二人組ですね。表紙もスゴクイィ。まえがきもスゴクイィ。本編もはずれない。「太りたい」は話者の話より史郎さんの返しの方が面白かったです(笑
2015/04/09
澤水月
マジで上手い2人が組んだ極上品。イスラム国でささくれた心を別方向に赤剥けさせてくれた。黒氏、マスカット‼︎ 意味フタイトルは最後まで何あるかわからず脱水機にかかった気分。芸能人など温まる話としゃんしゃかしゃん、独眼キャバとか凄いの混ぜ気まぐれ料理具合たまらない。何故かサ店で味噌汁啜りつつ読んだ黒木パートは最早遠野物語。土着、溶け出す時間感覚と戦前の風景が素晴らしい。でも今を生きる塩彼やだわ…ラストは松村進吉氏に叩きつけたな! 2人ともに髪に纏わる怪談があり、興味深い。単行本で耐える本だなこのシリーズ
2015/02/03
hannahhannah
ふたり怪談シリーズ第五弾。平山夢明が監修。今回は黒史郎vs.黒木あるじ。黒史郎がまえがきで「僕のお相手は実話怪談界の木村拓哉、黒木あるじ」と表していて爆笑した。話の方は都市部の怪談がメインで「しゃんしゃかしゃん」や「ペット厳禁」や「坊主」など不可解な話が良かった。黒木あるじは地方の怪談がメイン。ラストの「墓女」が不可解で良かった。著者もそうだけど、担当のN女史も怪異にやたら遭遇している。二人ともワークアウトした方が良い。アメリカの心霊番組のリポーターも「幽霊や怪異現象と戦うには鍛えられた肉体が有効だ」と。
2017/03/17
感想・レビューをもっと見る