FKB怪幽録 奇々耳草紙 (竹書房文庫)
FKB怪幽録 奇々耳草紙 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
これは相当に、いかれた、けったいな、ぶっ壊れた、そんな馬鹿な、こんな事があってたまるか!と思わず叫びたくなる様な話が目一杯詰まった一冊ですので読むにはかなりの覚悟が必要ですよ。でも読み始めたら段々と慣れて来て「もう何でもいいから、どんと来い!」という気持ちになって大いに楽しめるでしょう。『空気』喫茶店に行くと客として認識されず無視され、霊感の強い女性に幽霊と勘違いされ、お婆さんにお経を読まれたという誠に可哀想で悲惨な男の話。『ラジカセ』地下街の通路を歩いていると道に古い大きなラジカセが8台も置いてあった。
2020/10/31
HANA
実話怪談集。一瞬世界が歪んだ時、垣間見える何かを描いたような作品ばかり。収録されているのは最近の実話怪談に多い直接怪異を描くのではなく奇妙な出来事を記した話ばかりなのだが、凡百の実話怪談と本書を隔てるのは何と言っても文章の力。読んでいてはっとなる文章とか急に寒気がする文章、得体のしれない文脈とかは、普段本を読んでいてもなかなか見る事が出来ない。終わり方がどことなく百鬼園先生を連想させる話もあり、かといえば妙に生々しい話もあり、この裾野の広がりが一段と魅力的なような。マイベストは「不味いおはぎ」「天使」。
2015/04/17
matfalcon
いちいち具体的な怪談には、アルアル不条理が、アル。逆に言えば、言葉尻を捕らえよう感炸裂の警官二人を前にした証言みたいに、妙に理路整然とした怪談にはリアリティがない、ことが改めて知らされる一冊。テレビで怪談を見て、真夏に布団を頭からかぶって汗みずくになった無垢なオレがいとおしい。
2017/08/17
ラルル
ガツンと殴られるような怪談ではなく、怪我した小指が膿んで来るようなジワっと来る怪談。
2015/05/19
澤水月
いつにも増して濃密不可解、大好き! ふたり怪談で「6行怪談」でデビューした黒木あるじ氏に挑むように3行怪談披露し驚いたが本書に2行怪談! 突き詰めると本業の歌になるか? 夢野久作・猟奇歌ばりの読めそう。平山テイストのようでまた全然違う、悪夢幻想文学風合いは内田百ケン的だが独自性強く我妻怪談できており、短い方がより際立つ。「天使」怖いがそんな検索するなと笑ってしまう。読んでる時コップの氷に不思議なことあり読了して冷や汗…
2015/03/06
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