奇譚百物語 拾骨 (竹書房文庫)
奇譚百物語 拾骨 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
丸山政也さんの百物語シリーズの1冊で1編が1~4頁で99話収録した怪談実話作品集ですね。まあこれまで沢山の怪談を読んできまして目新しい作品を探すのは困難ですが、それでも著者の作品には実体験者の心が感じられますね。怪異自体は変わらなくても心が通っているか否かで読む印象は大きく変わってくると思いますね。著者の作品には海外を題材にした作品が多く、秀作も多いですので印象深い3話を紹介しますね。『ゴーストタウン』十年前カメラマンのSさんがフランス旅行に赴いた際長年の念願だったオラドゥール・シュル・グラヌ村を訪れた。
2022/03/17
HANA
実話怪談集。最短一頁、長くても数頁という凝縮された怪談が畳みかけるように襲ってくる。話の多くは日常に空いた奇妙な出来事、ぽっかり空いた異空間という風で昨今の実話怪談らしくあっさり目。ただこういう風に次から次へと読ませられることで、読んでいるうちに奇妙な不安感を覚えてくる。これもまた一つの技法だなあ。細部まで微に入り細を穿つ描写のある作品もいいが、こういう素朴な「ハナシ」をそのまま表したようなのもまた良し。民俗学の語りと記述みたいな問題にもなってきそうだけど…。著者独特の異国怪談は読みごたえがありました。
2018/11/16
さりぃ
#奇譚百物語 拾骨 #丸山政也 Kindle Unlimitedで読了。 なかなか好みの怖さの話があった。 じんわり、ほんのり来るやつだ。 『棟梁』と『まつだい』で、えー!となる終わりかたが好きだった。
2019/03/22
ラルル
丸山さんの怪談、好きです。極端に怖がらせたりせずに淡々と話が進むのが良。海外ネタが多いのも新鮮です。最近のお気に入りです
2019/03/14
澤水月
最近の実話怪談、ヘタ過ぎな盛り・丸出し創作に絶望し読み絞っていたが今巻の後書きにもこのジャンル衰退に繋がる風潮を憂う言葉、深く同意。短いだけに濃縮され幻想味強く不可解、哀切な怪異・綺譚99話を堪能した。この著者は出たら買う枠。今巻はあやかしみ強いためか不思議に別の某書き手の方の風合いにも非常に近い味を感じたが、本著者の特徴である海外が絡む話は独自で追随許さない。また日本の話でも店を畳めない新刊書店の嬉し困った感、下着や炊飯器・古着など日常品が異界へ誘う話は付喪神的でもあり邦洋怪奇併せ持った妙味がある
2018/03/30
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