黒木魔奇録 狐憑き (竹書房怪談文庫 HO 449)
黒木魔奇録 狐憑き (竹書房怪談文庫 HO 449) / 感想・レビュー
夢追人009
シリーズ3冊中本書のみ未読でしたが今回やっと読みました。黒木さんは器用な方で題名にも凝りに凝った言葉遊びを仕掛けてくれてニヤリとさせられますね。今回は冒頭の5編の題が「さいせい」「訂正」「きのせい」「是正」「あめのせい」でしたよ。他にも平仮名だけ漢字一文字のタイトルで楽しませてくれます。またコロナ禍に特化した怪談噺もありましたね。『奇宅』ライターHちゃんは対面でなくオンライン取材に切り替えようと考えたが自分の部屋が汚部屋なのでよっしゃーと奮発して自走式掃除機を購入した。だが掃除機が必ず止まる場所に気付く。
2023/01/18
HANA
実話怪談集。いや流石というか、収められている話全て外れ無し。どの話も読んでいるうちに不穏な感じが増していく。これひとえに内容も良いけど文体の魔術もあるな。先に読んだ実話怪談集はコロナで苦労した後が見えるけど、本書はそれを逆手にとってこの疫災下での独特の怪談言わばスティホーム怪談とかGoto怪談みたいなのを展開しているのが面白く感じた。あと相変わらず現代を舞台にしたものから民話調のものまで、収録されている話が幅広いのも嬉しい。「~つき」シリーズから「わんのいれもの」まで東北独自の空気を感じさせる話良いなあ。
2020/08/27
ネムコ
安定の黒木品質。今回はコロナ禍ならではの怪談が目新しかった。会社のリモート会議に紛れ込む黒い糸とは? 普段は自宅にいない時間に、家の廊下を通り抜けていくものとは? その他、病気のお父さんの周りに現れる蝶の話「燃」は後味が良かった。【日本の夏は、やっぱり怪談】参加中
2020/08/03
ラルル
毎回言ってる気がしますが黒木あるじさんの怪談本にハズレなし…。ホントこの方は凄い
2020/11/25
BUBI
この本の前に郷内心瞳の「花嫁の家」の感想を書きましたが、「花嫁の家」よりもこの本の方が私とっては怖いです。いろいろな人のいろいろな怪異譚が綴られていますが、いつ自分にも同じようなことが起こるか、と思わせられるので怖いんですよね…。中でも怖いのは、作者自身も書いた覚えのない、脈絡のないメモ「奇録、あるいは鬼録」。スマートフォンのアプリで音声を自動で文章に書き起こしたら、話の途中に「死んだよ、死んだよ、死んだよ、でもまだいるよ」と入っている…ぞっとしました。私はホント「見えない」体質でよかった。
2021/06/06
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