KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

大人になる時 (竹書房文庫 く 7-2)

大人になる時 (竹書房文庫 く 7-2)

大人になる時 (竹書房文庫 く 7-2)

作家
草上仁
日下三蔵
出版社
竹書房
発売日
2022-04-15
ISBN
9784801930759
amazonで購入する Kindle版を購入する

大人になる時 (竹書房文庫 く 7-2) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

藤月はな(灯れ松明の火)

草上仁氏作品はお初。バラエティ豊かだが、キレがいい短編で何故、この作家を今まで知らなかったのだろうと悔しく思うばかり。「スタートピストル」、「スカイダイブ」は伏線の緻密な張り方と回収が見事。逆に「自分殺し」は盲点を突かれる展開に唖然呆然。そして「大酋長」の無知だと侮っている輩を逆手に取ったしっぺ返しは鮮やか過ぎて拍手喝采です。表題作は幼い記憶で忘れていた事を掘り出す過程でとんでもない事も思い出すが、包み込むような家族愛へと着地するのに安堵した。対話式で全編が進む艶笑譚「皮まで愛して」の今では妻を評する言葉

2022/08/11

スカラベ

書下し2編を含めた12編の短編集。作者ははじめましてだが、やや奇天烈で個性が強い作品群といった印象。普通、こういった短編集を読むと、あれ?これってどんな内容だったっけ?となることがあるが、本作はそれがなく、すべて頭の中に明確に内容が残る。タイトルのつけ方にもよるのかも。人によって好みが分かれそうなものもあるが、クローンを扱った「スカイダイブ」、「自分殺し」が斬新。高層ビルから何度も飛び降り死を迎え、その記憶をクローンとなって残し続ける「スカイダイブ」はちょっとやってみたくなるような気・・・・はしないか。

2022/12/28

ソフィア

短編なので、とても読みやすい。初手の「スタート・ピストル」を読み、ロボットが登場する王道SF小説なのかと思いきや、日本が舞台になったり、昆虫界?での会話が繰り広げられていたりと、様々なテイストのSF小説がまとめられているので、お得な気持ちにもなれます。最近の作品かと思っていたのですが、解説を読み90年代の作品が多いと知って驚きました。

2023/05/14

Valkyrie

久しぶりの草上仁さん。ハヤカワから出てた「こちらITT」から「江路村博士のスーパー・ダイエット」まで新刊が出る度に読んでたけど、もう30年になるのか...本作を読み終わって感じるのはハヤカワと作品の傾向が異なるとこ。人間(とは限らないけど)関係が複雑でミステリー、ブラック、ホラー色が強めでハヤカワの「明快SF短編」とだいぶ違う。選者が日下三蔵さんってこともあるのかな。時は流れても草上仁さんはアイディアもオチも自分好みでした。

2023/09/26

inaryoXD11

草上仁の短編に飢えているぼくには、日下三蔵氏が多くの短編を編んでくれるのはとてもありがたい。90年代の作品が多いが書き下ろし2作もあり、満足。引き続き出していただきたい。 「スタート・ピストル」の『不器用な機械』へののめり込みは素晴らしい設定ですね。「スカイダイブ」「顔」「妻の味」のどんな結末になるのかという恐怖。今回はミステリー、ホラー、サスペンスの作品に引き込まれました。書き下ろしは淡々と読んだ感じ。やはりぼくは草上仁を欲していると再認識しました。

2023/08/12

感想・レビューをもっと見る