入れ札
入れ札 / 感想・レビュー
姉勤
「〜赤城の山も今宵限り」のフレーズ以外は、甚だおぼつかない国定忠治。その、件の赤城の別れのシーンを切り取った短編。役人に追われ、一家を率いての逃亡が難しい中、使える手下3人を選びたいが、命懸けでついてきた子分達から名指しで選ぶのも親分としても憚られ。かといって意中の者は連れて行きたい。恨みっこなしほどうらみは募る。古参の子分たる九郎助の心理。組織で仕事をしていれば、ほとんどの者が感じるだろう忸怩。少しでも触れれば血が滲むカサブタだらけの男の世界。三下のハードボイルド。煮え立つ腹の中と、それを冷ます胸の泪。
2022/09/11
翀
九郎助の気持ちはわかるが恥ずかしい。
2018/05/15
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