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散華

散華

散華

作家
太宰治
出版社
青空文庫POD
発売日
2015-09-30
ISBN
9784802027694
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散華 / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

1943年11月頃の執筆と目されている。アッツ島の玉砕が伝えられるように、戦況もしだいに悪くなっていく時期である。そんな中にあっても、作中での太宰自身は比較的のどかな文士生活を送っているかに見える。もっとも、ここで主に語られるのは、三井君の死(これは病死)、そして三田君の玉砕死なのであり、「死」は太宰の周辺で常態化してもいたのである。太宰は「三井君の臨終の美しさは比類がない」と語り、また三田君に対しては「ずばぬけて美しく玉砕した」語るのである。「散華」であれば、まだ個的な領域だろうが、「玉砕」は⇒

2022/11/14

姉勤

太宰の人の死に対する憧憬を感じさせる。特に若くして儚い死を。自分を慕う二人の青年の死。歳が離れた後進でも対等でありたいゆえに、二人に吐いた辛い言葉の、真意を告げる機会もなく先に逝った二人に対し、二人も愛した文学での手向け。弔辞ほどの重さもないが、時代を恨むでもなく戦争が当たり前な前提である感覚と、先人の芥川同様、死ぬ機会を伺う様な気配も感じる。

2023/01/04

かふ

NHKラジオ:特集番組『高橋源一郎と読む 戦争の向こう側2022』を聞いていたら、太宰治の小説が戦争文学だったという高橋源一郎氏の指摘には納得した。太宰の執筆時期は戦時でほとんどの作家が思うように書けなかったのだが、諧謔と自虐を本領とする太宰は日常を描きながら戦争を描いていた。この日は、その太宰治の三作品の紹介。『散華』は、 今回が初めて読む。太宰の作品は、結構読んでいると思ったが、まだこのような凄い作品があったのだと知った。

2022/08/16

うらなり

玉砕ということばは立派すぎて、太宰はこの散華ということばを選んだという。

2022/08/13

リカステ

玉砕ではなく「散華」。太宰の人となりが真っ直ぐ伝わって来る。 彼の年下の友人達、彼より先に亡くなった者達。彼らは確かに太宰の糧となったのだろう。 「大いなる文学のために、死んで下さい。」は良かった。

2015/10/20

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