散華
散華 / 感想・レビュー
megu
“玉砕”という題にするつもりだったこの作品、しかし、それがあまりにも美しい言葉であったために、題を“散華”と改めた。玉のように美しく砕け散るという“玉砕”、若くして戦死する“散華”。玉砕ほどではなくとも、どちらにも戦争賛美の考えが伺える。“大いなる文学のために、死んでください。自分も死にます、この戦争のために。”自己のために死ぬのではない、崇高な覚悟としての散華。信念や道義を重んじて潔く死ぬ、それが日本男児と教えられてきた戦時中。悲しみと憤りを覚えると共に、これからも読み継がれて欲しい良い作品であった。
2022/08/28
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