泣虫小僧
泣虫小僧 / 感想・レビュー
Shinobi Nao
まだ若い未亡人の女性が、新しい恋人との時間を最優先すべく子どもを姉妹の家へ押し付けるお話。概略だけ見ればこの母親は毒親だと、多くの人は思うだろう。一回目に読んだ時は、私も、なんて非道い母親なんだ!と思った。しかし、毒親ってなんだろうと一旦考えてから改めて読んでみたら、母親には母親の、預けられた先の人たちにもそれぞれの都合と思惑があって、この子が悪いわけではないけどなんかしょうがないんだよなあ、と大人目線で冷静に眺める読み方になった。切ない中にも、まだ未来に光は射している、そんな小説だった。
2021/01/08
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