みちのく
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パダワン
文芸同人誌トルソーの岡本かの子特集で言及があったので読んでみた短編。東北に伝わる、本当の伝承のような物語。今で言う知的障害の男の子(四郎馬鹿と呼ばれている)行儀がよくにこやかにしているので町の人たちに可愛がられている。四郎が好きになったのは、名家の優しいお嬢さん。運命に翻弄されてその後四郎はその町を去るのだが、お嬢さんは高齢になるまで四郎の帰りを待っているのだ。明るくにこやかに。時間の持つ、赦しを思う。昭和初期の長閑な東北の町。情景が目に浮かぶ。岡本かの子、好きだなあ。
2023/03/17
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