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メリイクリスマス

メリイクリスマス

メリイクリスマス

作家
太宰治
出版社
青空文庫POD
発売日
2016-07-31
ISBN
9784802061735
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メリイクリスマス / 感想・レビュー

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ケイ

全く粋な事をする男だ。娘のために、彼女の区切りになるようにしてやる葬い。3人目のお酒を飲んじゃうのも、鰻を食べちゃうのもご愛嬌。女にもてるわね、これは、太宰さん。こうしてその気にさせて、あとはグダグダになるんだとしてもね。疎開先も、そんなこんなの前置きも、色んな伏線を含んでいたわけだ。師走になる前のメリイクリスマス!

2016/12/24

えりか

あぁ、これ大好きだなぁ。粋な男だ。かっこいい。「こいを、しちゃったんだから」「これくらい甘い事も平気で言えるようでなくっちゃ、若い女のひとの恋人にはなれない」「恋愛にこっけい感は禁物である」とかなんとか言って、勘違いの恋愛を展開しようと試みる男。だけど、事実がわかると彼なりの粋な弔いをする。その黙々と呑む背中に哀愁を感じる。陳腐のあとのこれはズルイな。ろくでもない男だけど、だからこそ惚れてしまう。叙情的な男だ。「メリイ、クリスマス」

2019/12/24

水零

「こいを、しちゃったんだから」と笑って今日の偶然を、運命にしちゃおうとする貴方はなんて、悪い人。いくら関係していなくったって、昔馴染みの女の子どもにちょっかい出したらダメでしょう。神さまはちゃんとみてますよ?寒空の下で冷え切った、貴方の身体を温めたのが、女じゃなくて、鰻の腹と熱燗だったのには思わず笑いたくなっちゃいます。世の女をあまりみくびってはいけないよ。でもね、今日は特別に許しちゃう。貴方の可愛い下心。だって、クリスマスなんだもの。みなさまいかがお過ごしですか?ハロー、メリイ、クリスマス!素敵な夜を。

2019/12/24

たんかともま

恋をしてなく、されてなく、清潔で、いつも酒がおいてある女という貴族の出し方が儚くて魅力的。大宰治流モテ術とも言うべき中盤。親であっても張り合うという女の嫉妬心に対する見識から、滑稽な感じやアホな感じは禁物というキザな教えにどこか説得力があり、一丁と100メートルのくだりはユーモアたっぷり。だからこそ再会相手の母親が死んでいるとわかった際の一人相撲感、滑稽さ、それから娘の切なさが際立つ。そこからの三人前注文し、鰻を食べ、最後半分ずつ食べるシーンも哀しいユーモアと暖かさがあり、ちょっとキザな箇所も含め太宰節。

2020/10/04

ぐっさん

切なくて、でもほっこりするような物語で面白かった。そして、主人公のちょっぴりキザでユーモラスな恋愛描写も素敵だった。ぼくも、こいをしたくなった。

2016/12/28

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