夜福
夜福 / 感想・レビュー
キジネコ
「十八、九にしか見えない。裾みじかに矢羽根のお召を着て、白い足袋のさきがすつきりしてゐる。羽織は紫しぼりの中々こつたものを着てゐた。」戦争で息子を亡くした寡婦の内心の声です。誰に対して?女を拵えて出て行った元夫、死んだ息子の父親が唐突に「息子には実は子が…」と告げたことで発した端を辿って訪ねてきた若い娘の印象、娘は23歳、傍らには息子の子…孫が。話者である女性の心情の機微、人物描写の巧みさに驚く。短い話ですが語られない行間の濃厚な思いが読者に届きます。読みともさんのレヴューに惹かれて素敵な出会いが又一つ。
2019/06/24
sayu
★★★☆☆
2016/09/03
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