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開化の殺人

開化の殺人

開化の殺人

作家
芥川龍之介
出版社
青空文庫POD
発売日
2016-07-31
ISBN
9784802070713
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開化の殺人 / 感想・レビュー

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愛敬 史

芥川龍之介の短編。彼女の為、彼女と彼の幸せの為に殺人を犯した主人公。利他主義を装っているが、心のうちに利己主義が頭をもたげてきて彼を苦しめる。人間のエゴイズムを遺書という形で描いた作品。

2021/07/20

メメント・モピ

芥川の開化物はそんなに好きではないけれど、なんだか最後に「うっ…」と胸を殴られるような悲しさがあった。北畠の遺書だから、彼の視線でしか世界を捉えられない。だから、彼が醜い憎しみを抱いて、恐ろしい行いをした過程が「独りよがりの虚しさ」のように映る。でも、「独りよがり」って他人に言えない、頼れない苦しさがあって、私には北畠は「独りよがりの虚しさ」を受け入れているように見えた。問題は「予」や本多子爵、明子の存在。遺書を保存し、第三者に伝える本多子爵や「予」は何を考えてる?明子の思いが描写されないのは問題だ。

2022/11/11

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