続堕落論
続堕落論 / 感想・レビュー
テツ
「対立感情は文化の低いせいだというが、国と国との対立がなくなっても、人間同志、一人と一人の対立は永遠になくならぬ。むしろ、文化の進むにつれて、この対立は激しくなるばかりなのである」 本当にここが、坂口安吾が好きだなと読む度に思う。人間に真の平和や安息などは与えられない。誰かが宣う気休めの救いや明るい未来など信じちゃいない。でも安吾はそうしたどうしようもなく救われない、もがき苦しむ人間を愛している。救われない形のままで受け入れて愛している。そうした受け止め方の大切さをしっかりと僕に教えてくれた。
2019/05/07
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