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嘘

作家
太宰治
出版社
青空文庫POD
発売日
2016-07-31
ISBN
9784802073226
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嘘 / 感想・レビュー

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姉勤

人間は社会的動物ゆえ、嘘も方便も通用するし、良心とは後天的に刷り込まれた、その所属する社会においての便利な作法。と、近頃思うわけです。原隊を脱走した夫を匿った嫁の心理は、大きな社会の括りであれば犯罪ではあるのだが、良人との暮らしが最優先の居場所であり、彼女にとって最小の社会であれば、良心とは作中の嫁の判断となり、回路として正常と。我の未熟とか、曲解だとしても今はそう思います。

2023/04/02

ちさと

嘘をついているのは誰なのか。嘘を1つもつかずに生きるということは、絶えず誰かを傷つけて生きるということ。自分の保身のために嘘をつく人は大嫌いだけど、相手を守る優しい嘘はアリだと思う。主人公の遠戚の嫁が出征しなければならない夫を馬小屋に隠していたというお話。でも本当に嘘をついているのが誰なのかは、謎のままぽいっと読者に投げられて物語は終わります。嘘をつくなら、最後まで隠し通せなきゃダメ。

2023/01/05

Yuichiro Komiya

徴兵から逃げた男を探しに、村の役員さんが男の家を訪ねるが、妻は何も知らないという。帰ろうとしていると、小屋の方から音がして…。戦時中の作品?太宰治の作品には、男性に比べてしっかりした女性が出てくることが多いと思う。

2018/03/10

にこにこ

窪田さん朗読 しれっと嘘つくのは男女関係ないと思うが。

2022/12/07

猫柳

普通に読んだら旦那を隠すために嫁が嘘をついたと読み取れるが、最後の文書で解釈が違うかもと思うと、嫁が名誉職に会いたいからこちらに来てもらうために旦那を隠したのかもしれないという考えになった。もしそれが真実で名誉職がこのことに気がついてるなら、名誉職もまた最後に嘘をついてることになるのだろう。となると男も女も嘘をついており、最初の話はどちらも嘘であり本当でもある。この短い話でここまで考えさせてくれる太宰さんやっぱすごい。

2023/07/30

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