KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

怪談現場 東海道中 (イカロスのこわい本)

怪談現場 東海道中 (イカロスのこわい本)

怪談現場 東海道中 (イカロスのこわい本)

作家
吉田悠軌
出版社
イカロス出版
発売日
2017-07-19
ISBN
9784802203920
amazonで購入する

怪談現場 東海道中 (イカロスのこわい本) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

HANA

シリーズ第二作。前作が東京中心だったのに比して、今回は東海道が舞台。それぞれの場所に応じた怪談が考察されており、やはり面白い。読み解かれる怪談も御土居にまつわる怪談から、梅田地下街の都市伝説めいた怪談、2ちゃんねるに投稿された怪談まで非常に幅広い。土地の「談」を読み解いていくスタイルからは、まるで口承文芸を解読するよう。怪談の舞台を「水」に結び付けるのは牽強付会めいたものも多少見受けられるが、それぞれの土地の怪談に結び付いた過去の事件も興味深いし。昨今氾濫する実話怪談とは、違った切り口が何とも楽しかった。

2017/08/15

かおりんご

ホラー。現場に基づいて検証しているところが、好感もてます。昔、高校の遠征で泊まった旅館、中村区にあったっけ。なんとも言えない古めかしいところでしたが。気味の悪い日本人形が数体床の間に飾られていて、そんな部屋で先輩とレベッカの「先輩っ」と声の入っている音声を聞いたことを思い出しました。まったく、この本には関係ないですが笑

2021/03/21

澤水月

参考資料多彩で読みたい本増える。特に阿部重保の実々奇談は読みたい。隠された水、境(多くは虐げられた女子供など弱者への共感)に異界が覗くという視点の下、怪談発生現場の歴史をひもとき大変興味深い。名古屋界隈の遊郭(太鼓橋のある旅館)と水辺の跡、秀吉が京都を作り変えた御土居や宇治の橋姫まで歴史深いものから大阪・泉の広場など現代の人工水場の有名怪談。これまで捨てられがちだったサブカルチャー・アングラ文脈での怪談をネット、雑誌記事類から縦横無尽に資料と現場をバランスよく渉猟し大変面白い。評論系の方が水を得た魚?

2017/07/29

佐倉

東海道に沿って怪談を検証していく一冊。吉田悠軌も『はじめに』で断っているが歴史上の東海道に限らず道路やトンネル、駅、観光地など現代に住む人々にとって重要な境界に注目しゲニウス・ロキを見出す。幕末の隅田川河口や大森周辺でおきた種々の憑き物騒動についてコレラや黒船騒動との関係を読む『幕末の狐憑き』、小坪トンネルの怪談史を読み解く『トンネルの中で起きたこと』、きさらぎ駅とつきのみや駅を遠州鉄道と岳南線の関係から読み解く『実況中継される怪異』、豊臣時代の水路から現代の怪談を読み解く『古都の境界線』が印象に残った。

2024/11/08

冬憑……(ふゆつき)

実話怪談の現場。現実と非現実との境い目が曖昧な場所であり、平穏と恐怖が薄い幕でしか仕切られていないという事実を、目の前に突きつけられる場所。そんな怪談の現場を深く検証し怪談の産まれた歴史的史実を改めて見つめ直す、それが本書「怪談現場」の試みだ。本書において重要なのは「現地の認知度ではなく、検証における歴史的史実の探求の面白さ」である。仮に場所への思い入れが無くとも、この気持ちを忘れなければ楽しめる。吉田会長の「怪談史実の考察」は、今後も続くだろう。そして僕はまだまだ、恐怖への知的好奇心と愛は尽きないのだ

2017/08/02

感想・レビューをもっと見る