水上勉社会派短篇小説集 無縁の花
水上勉社会派短篇小説集 無縁の花 / 感想・レビュー
ほう
9編からなる短編集。昭和の戦中戦後の混乱期の日本の中で、不審な死を遂げた人、事件性があったにも関わらずうやむやに葬られた人など弱者の視点に立って書かれたものが多い。日本の殆どの人が貧しかったが、その立場から見据えて書いた物語である。
2022/03/29
ひねもすのたり
絶版で読むことが難しくなった九篇を収めた作品集。 水上勉は松本清張と双璧をなす社会派推理の書き手ですが、その魅力はひとえに貧乏臭さにあるような気がします。本書の序から引用するなら「地域や時代にがんじがらめにされた小さな存在」の主人公たち。読者は彼(女)たちの物語の背後に広がる昏い海と鉛色の空に想いを馳せます。 印象的だったのは『うつぼの筐船』このシチュエーションがたまりませんでした。 新刊コーナーにあった本書の上梓は昨年10月。今更誰が読むの?と思いつつ、版元田畑書店の心意気と良心を感じ取りました。★5
2022/01/03
Yumi Ozaki
貧しい中正直にまっすぐに生きようとする女性がつらい人生を送ることになる。悲しい話ばかりでした。
2023/01/21
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