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川端康成の話をしようじゃないか

川端康成の話をしようじゃないか

川端康成の話をしようじゃないか

作家
小川洋子
佐伯一麦
出版社
田畑書店
発売日
2023-04-16
ISBN
9784803804133
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川端康成の話をしようじゃないか / 感想・レビュー

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アキ

川端康成の歿後五十年にあたり、川端康成の愛読者である小川洋子と大阪芸術大学でゼミを持つ佐伯一麦との3回にわたる対談。すらすら読めて、しかもとても深い内容でした。佐伯氏「もしかしたら川端は小説を書いてはいなかったのたもしれない。(笑)」小川「そうか、無を表すために字を書いていたんだ。無と会話していたんですね。ないものと言葉を交わしてた。」附で、見えないものを見るー「たんぽぽ」で小川洋子は「終わりのない小説を書けたら、どんなにいいだろうと思う。」と書く。表紙の川端の京都の定宿・柊家で川端の小説を読み耽りたい。

2023/06/16

けんとまん1007

小川洋子さん、佐伯一麦さんの対話を通して、川端康成という一人の作家の姿が浮かび上がってくる。川端作品を読んではいないが、あの風貌から想像するものと重なる部分がある。あの眼を通して、見る対象の奥底まで見つめる。見られるほうは、かなりのエネルギーがないと、耐えきれないのではないだろうか。また、お二人の好みの作品の違いや、読み取り方の違いが、新たな発見になっているのも、なるほどと思う。

2023/06/13

tonpie

川端に「心中」というごく短い散文があって、その不吉で異様なイメージの硬度に驚かされた。この人はフツーではない。いったい、どんなひとなのか?その思いで手に取った。川端の伝記事項として、早くに両親を失い孤児の生活だったということくらいしか知らなかったが、その後、二十歳の時に伊藤初代との「非常の」婚約破棄事件がある。この本の冒頭「川端文学を貫いているもの」で語られている事件があまりに悲惨でグロテスクであり、言葉を失う。半世紀にわたり、相手からの手紙を「仕事机の中にしまっていた」ということにも。↓

2023/07/03

よこたん

“もしぼんやり読んでいたら読み過ごしてしまうところかもしれないんですけど、ある一瞬、ハッと冷たい視線で心臓をつかまれる。一行一行、一章一章、おろそかにできない緊張感があります。そこが心地よくもあるのですが。(小川)” いやあ小川さん、ほんま上手いこと言うでくれはるわあ。学生時代にたくさん読んだはずの川端作品。ほぼ内容を覚えていないものでも、そこかしこに漂ううっすらとしたひんやり感は忘れてはいない。熱く語り合う佐伯✕小川が面白すぎて止まらなくなった。谷崎や三島との対比も興味深い。『掌の小説』また読もう。

2023/06/10

毒兎真暗ミサ【副長】

小川洋子氏と佐伯一麦氏による対談。川端文学について語るものだが【文学】というよりも、各小説に乗せた康成の【内面】を掘り下げているように思う。康成好き専用の大きな盥という趣きで、こちらも自由に見聞きし咀嚼し泳いだ。あれもこれもが、狂気に燦めいていた。巻末には小川洋子が一人称で対康成について語り、佐伯氏がフォローする形をとっている(かに見えた)。そして小さな康成の魂は細分化され、小川氏の中で生きている。それは日向であって、日向ではない。と言うように。

2024/03/06

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