雲母集: 歌集 (短歌新聞社文庫)
雲母集: 歌集 (短歌新聞社文庫) / 感想・レビュー
内藤銀ねず
北原白秋の歌集と言えば第一歌集『桐の花』が取り沙汰されますが、わたしは第二歌集『雲母集(きららしゅう)』の方が好き。姦通罪で収監、釈放されたあと東京を離れて家族とひっそり暮らしていた時期、いわゆる「都落ち」の歌集です。しがらみを断ち切って自由気ままな時間を手に入れた解放感と、太平洋を目の前にした郊外暮らし、さらに当時白秋を魅してやまなかった『梁塵秘抄』調の小唄感。白秋の最高傑作歌集として私は推しておきます。
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