歌集 牡丹の木 (短歌新聞社文庫)
歌集 牡丹の木 (短歌新聞社文庫) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
1885(明18)~1942(昭17)。福岡県生まれ。詩集『邪宗門』で耽美派として出発、歌集『桐の花』『雲母集』等を刊行。多くの詩歌誌を創刊した後、昭和10年主宰歌誌「多磨」を創刊。浪漫、象徴運動を展開、『白南風』『黒桧』等の11歌集をはじめ、詩、童謡など幅広い分野にも大きな業績を残した。(カバーより)
2014/11/16
新田新一
詩や短歌、童謡など様々な分野で、歴史に残る作品を残した北原白秋晩年の歌集。作者は目の病気にかかっており、視力が衰えていく悲しみを表現した歌が、多く収録されています。そんな歌は読んでいると、胸が詰まりました。「春ふかき牡丹にぞ思ふかがなべて眼を病みしより幾とせ経たる」戦争中の戦意高揚の歌も多く収録されており、それらを読むと複雑な心境になります。北原白秋は死の直前まで歌を詠み続けたそうで、その気迫に圧倒されました。
2023/08/29
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