母の手紙: 母かの子・父一平への追想
母の手紙: 母かの子・父一平への追想 / 感想・レビュー
ロビン
岡本太郎と母かの子の手紙が主であるが、後半にはかの子の亡くなった後、太郎と父一平が交わした手紙も収録した一冊。かの子には芸術第一の世間知らずで「母親失格」の女性という印象がどうしてもあったが、手紙を読むとその心の純粋さと、太郎を想う愛情の濃やかさ、熱さに打たれずにはいられなかった。太郎の体調を案ずるのは勿論食べ物や暮らし向きにも気を配っている。しかしかの子は、愛する息子太郎をパリに一人にしてあえて苦労させる勇気のある人でもあった。一平の太郎とかの子に対する愛や理解の深さにも涙を禁じ得ない。世に稀な親子だ。
2022/08/12
fonfon
10数年ぶりに再読。かの子の名作に並ぶ、たいへんに美しい書物と思う。かの子も太郎も純情を貫いた芸術家であった。迷いの苦しみを分かち合い同じ高みを目指して手を取り合って生きた軌跡がここにある。現在品切れのようだけれど、再版され、広く読まれることを願います。
2011/03/11
カールステンセン
岡本太郎がパリ時代に母かの子から送られてきた手紙を収録した本。岡本太郎の作品が好きだったので手に取って読んでみました。かの子の子に対する愛情が本から伝わってきてジーンとしました。岡本太郎が戦後にあそこまでエネルギーを爆発させるようになれたのはこの時期に一家で芸術を研鑽していった事が大きいのだろうなと思いました。
2019/04/06
yukari
太郎も大好きだけどかの子も好き~。太郎が型にはまらないで生きていたのは、そもそもこの父母の下に生まれた時点で、ほぼほぼ決まっていたようなものだなと思った。型どおりの父母というものを持たなかったわけで、生まれて最初に接する人間がそうだったのだからなあ。
2016/12/11
ぽーろ
3
2019/09/05
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