水晶散歩: 井辻朱美歌集
水晶散歩: 井辻朱美歌集 / 感想・レビュー
rinakko
再読〈失血のしづかな恍惚ほぐれゆきリボンのごとくに宇宙がうたふ〉〈アンモナイトサラダをつめたく召し上がれ朝の砂丘をこえてくる声〉〈椰子の葉と象の耳ほどこの星の風が愛したかたちはなかった〉〈爪先だけを地球につけて生きてゆくマリオネットの魔女とわたくし〉〈レモンとシトロン無法にかがやく夏がありこの宇宙にはあまたの太陽(ソル)〉〈音たてて頸骨まはすそのかみの恐竜たちが風きくさまに〉〈ブロッコリーの右脳左脳と切り分けてお湯に投げこむ春のよい魔女〉〈かしみーああるいはぼあのふあふあを購(あがな)いにゆく飛ぶための黒
2021/05/02
わいほす(noririn_papa)
2001年発行の著者第五歌集。初読み。どこの国だろう、なんだろうこの世界は、と思ったら、ファンタジー小説家らしい。なるほどである。西欧などを旅しているようで、ときに古代や中世、地球から宇宙へと軽々と時空を飛び越える。ファンタジックな横文字と旧仮名遣いが融合して独特の世界観があって面白い。また1頁3首を基本に行間を自在に空けた歌の配置も視覚的、空間的な効果がある。「空間をくりぬくカプセル見せながらグランジュテする深夜のキリン」「金色の如雨露を手にした庭師(ガーディナー)がうたひはじめるやうな〈メサイア〉」
2023/03/24
_2l1p
あとがきにもあるけれど、空間の切り取り方がじょうず。<あっけからんとかがやくビルを平手打ち>突拍子もないような、でも親しみのある言葉づかい。笹原玉子と飯田彩乃・服部真理子あたりを混ぜたような雰囲気。すきです
2020/12/21
赤坂パトリシア
井辻朱美らしい短歌。
2017/11/30
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