世界が海におおわれるまで: 佐藤弓生歌集
世界が海におおわれるまで: 佐藤弓生歌集 / 感想・レビュー
いやしの本棚
読みながら幾つも好きな歌が浮かぶ。どこか現世から遊離した眼差しに片山廣子のそれが重なる。世界の終わりを静かに待つようなところも。(「垂直に水をくり抜くしろがねの指輪のはやさ訃報もかくや」という一首にしても、井辻朱美さんが解説で言うように「喪失の感覚がない」ことも含めて、片山廣子が夫の死後、弁天池の水底に結婚指輪をほうり込み「せいせいした」と語ったエピソードを思い出してしまう。)多用されるオノマトペの響きが、遠くで鳴る風鈴のように耳に心地よい。「風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで」
2017/05/12
卯月
再読。「風鈴を鳴らしつづける風鈴屋世界が海におおわれるまで」を読むたびに、人類滅亡後の静謐な世界を思い浮かべる。「満ちてくるほのおのにおい放課後は実験室の春のはじまり」私が好きな歌は、人の気配を感じない。実験室には他者も、歌人自身もいないと思う。「絵空事だけが恋しい かんむりを切りぬきましょう金紙銀紙」どこか哀しい。好きな歌があり過ぎて、挙げればキリがない。
2012/02/20
木
センスがあふれ狂ってる!
2016/08/11
ルチア
うたをよみたくなった。
2015/01/14
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