輝く世界
輝く世界 / 感想・レビュー
alpha_ralpha
「真紅の帆」の次回作とは思えぬ程の陰鬱な展開に驚く。いつもの幻想味が裏目に出て、今回は居たたまれなさを生む作用をしているように思えた。
2017/01/27
惨児春
1923年のソ連作、サーカスに現れた空を自由に飛びまわる”連星の男”を巡って、男を危険視する政府や客として訪れた大臣の令嬢の思惑が交錯する。身も蓋もない言い方だが全体の雰囲気はジブリアニメに似ている。連星の男が空を飛ぶシーンは描写の書き込みっぷりも相まって凄まじい高揚感を伴うものだし、やがてほろ苦い結末へと繋がって行く男の孤独も印象深い。お気に入りは神出鬼没の連星の男がプロペラ飛行機の品評会に現れ、少女の前で自分が空を飛べると力説する場面。ソ連文学の底力を見たという感じ。面白い。
2016/08/26
金木犀
1993.8初版 沖積舎 リサイクル 箱詰め
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