アシッド・ドリームズ
アシッド・ドリームズ / 感想・レビュー
器
60年代のカウンター・カルチャーに関する本です。その当時の状況とCIAとの関係が記されていて面白かった。 50年代ごろのCIAは、マリファナやコカイン、ヘロインといった種々の薬物を自白剤として使えないかどうか実験していました。その中で、CIAはLSDに注目します。LSDを投与することで、敵から情報を引き出すことができないか実験し、その実験の対象は一般市民にまで及びます。 その過程で、CIAは民間の研究者などを支援してLSDに関する知見を集めようとします。
2022/09/25
ヨミナガラ
“CIAと陸軍は、一九六○年代初頭に施行された新ドラッグ法の規制外に置かれていた。〔…〕FDAが「選別的免除」をあたえてもいいことになっていた。FDAの目には、武器としての幻覚剤開発にとりくんでいる者のほうが、自前でLSDの治療効果の可能性を追求することに専心している研究者よりも、「科学的整合性と道義的倫理的責任感にあふれて」いたのだろう。”“CIAのおえら方はLSDを、一九五○年代に徹底的に探究されたその精神障害誘発機能から、戦略手段であると同時に国家の安全をおびやかすものとも見ていた。”
2014/05/28
yozora
LSDを中心に1960,70年代のアメリカ文化を浮き上がらせる。そもそも精神障害誘発剤としての研究からCIAが手を引いた頃から巷に拡がるようになり、それまでとは反対に精神の自由のために、あるいは社会の解放のために使われてきたその錠剤がいかに人々を動かしてきたかがよく分かる。その中で、ティモシー・リアリーやケン・キージー、ビリー・ヒチコック、アル・ハバトなどの面々が魅力的に描きだされる。僕は夕陽に鏡を掲げて路上に光をばら撒く演劇集団ディガーズが好きである。彼らは資本主義に対抗して、真の自由を求めようとした。
2015/01/31
takuya
面白い
2013/09/22
KOUICHI
原著から30年は過ぎた本書であるが今読んでもめちゃくちゃ面白い。60年代のカウンターカルチャーやフラワームーブメントと呼ばれるものにLSDが与えた影響というより、それがあったからこそ発生したという事が多くの資料と証言によって明らかにされている。FBIやCIAによって意図的にLSDがばら撒かれた経緯そしてそれが思いもよらない事態へアメリカを巻き込んでいった流れを知る事が出来る。当時のロックや反体制運動に興味がある人には是非読んで欲しい。陰謀論やヒッピー礼賛本ではなくバランスの取れた描き方されている所も良い。
2017/04/09
感想・レビューをもっと見る