寺山修司 時をめぐる幻想
ジャンル
寺山修司 時をめぐる幻想 / 感想・レビュー
夜長月🌙@新潮部
寺山修司とシチズンの社内報。およそ結び付かない2つですが寺山氏はそこで時計にまつわるエッセイを10回書いていました。10種類の時計が出てきますが一番のお気に入りは「少女の時計」でした。その時計は12個の数字の代わりに12人の少女が立っています。そして、自分の時刻になると一時の少女は一時の指し示す方向へまっすぐどこまでも歩いて、恋したり、生活したり、さすらいの果てに朽ちるかもしれません。序文にあるこの原稿の発見から出版までもドラマチックでした。
2024/11/22
ぐうぐう
時間という概念について寺山修司は、どこか虚無的であったような気がする。けれど、時計となると、とたんに愛でようとするのだ。時間という目に見えないものを測る装置、そんな時計の性質が、寺山を大いにくすぐったからだろう。1967年からおよそ一年半に渡って、シチズンの社内報に掲載された掌篇に、現在の画家達が絵を添え、新しく蘇った『時をめぐる幻想』。架空の時計を想像する『時計幻想館』と、実在の時計からストーリーを発想した『時計の歴史』。『時計幻想館』のほうが、すこぶる面白い。(つづく)
2018/04/04
このみ
シチズン時計(当時はシチズン商事)の社内報「Citizen Sales News」に1967~1970年掲載された、「時」に関する、詩ともメルヘンともいえる寺山修司の文章。これに現代の画家たちが絵を添え、この本となった。 寺山が演劇実験室「天井桟敷」の活動を始め、展開していった時期と重なるとのこと。「時に関する15の掌編は、このシュール色の強い舞台や映画と響き合う作品である」(「はじめに」久慈きみ代)「魔女時計」「時計牢」「蝶時計」など、幻想的で妖しい。柱時計の中の暗闇には私の何かが閉じ込められている…。
2020/07/02
ダン子
好き。寺山修司は今まであまり手にしたことがなかっあけど、今回すっかり好きになった。挿し絵も美しい。時計に関するエッセイで、どれも独創的ですぐ話に引き込まれてしまう。夢のような時間が楽しめる一冊。
2018/06/02
こうめ
まさしく“時をめぐる幻想”でした。贅沢な大人の絵本…生きたまま時計になってしまった一人の少女の絵が印象的でした!
2018/05/10
感想・レビューをもっと見る