死刑執行人の歌 下: 殺人者ゲイリー・ギルモアの物語
死刑執行人の歌 下: 殺人者ゲイリー・ギルモアの物語 / 感想・レビュー
ケイ
ピューリッツァー賞作品。読後、徐々に作者が訴えようとしたことがのしかかってくるようだ。14歳から人生の大半を刑務所で過ごした男。やっとの仮出所でほどなく犯した殺人。死刑判決後、速やかな執行を望むも死刑反対・廃止の流れはそれを阻む。何度も延期される執行。死刑囚となったことでの特異な存在感。彼に関わることへの特別感。彼をお金にしようとするマスコミ。彼の死後の解剖の様子、彼の恋人に提示されたヌード写真の報酬。本人の罪を横にやって、群がる人たち。その様子を、その一員となるまいとして仕上げた作者に感服。
2019/03/21
ブラックジャケット
50年代末の「冷血」から、70年代のゲイリー・ギルモアへ、大きく変わったのがマスコミであろう。新聞・雑誌・テレビメディアの大競争時代の中、死刑を実行しろ、というゲイリーの主張は、死刑廃止へ動くリベラル派の風潮に真っ向逆らう。ベトナム戦争・ウォーターゲート事件後の政府を圧倒するアメリカのメディアは、ゲイリーという素材を得て、狂騒のありさまとなる。その奔流の中で、ゲイリーとニコールの愛が本編を貫く通奏低音となる。不動の輝きの純愛ととるか、セックス解放時代のあだ花か、巨編を閉じてもなお胸騒ぎは消えない。
2018/01/28
tai65
星4つ
2017/02/19
あさがお
量的にも内容的にも読むのしんどかったなぁ。時間が掛かった~
2012/07/18
れいぽ
人によっては読みにくい文かもしれないが、「真実」がひたひたとせまってきて息苦しささえある。
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