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はだしのゲン (第3巻)

はだしのゲン (第3巻)

はだしのゲン (第3巻)

作家
中沢啓治
出版社
汐文社
発売日
1988-04-01
ISBN
9784811300429
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はだしのゲン (第3巻) / 感想・レビュー

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さらば火野正平・寺

お金に困ったゲンがありついた仕事。それは家族から死ぬ事を望まれている被爆者・吉田政二の看病だった。このエピソードは本当につらい。江戸川乱歩の「あの」短篇も甘く思える(本巻を読めば解る)。狂おしい気分にさせられる。不幸と悲惨にいじけてしまっていた政二さんは、ゲンとの交流で生きる希望を取り戻す。しかし原爆症に蝕まれる政二さんの悲しい最期。号泣するゲンの思い。堪らない。しかし、政二さんの家族の姿、これが日本人の一面である事は否定できない。昭兄ちゃんを迎えに行く過程で手に入れた麦の貴さ。

2013/10/25

ゆりまなっとう

戦争で誰も彼も心が荒みきってる。死んだ方がまだマシかも知れない位過酷かも。

2016/03/21

ツキノ

「ぼくに仕事をさせてください」とアピールしてゲンの得た仕事は被爆してひどい状態で寝たきりの政二さんの世話。これがなんとも…「せつない」ということばでは言い切れない…人のむごさ。「ピカの毒がうつる」と被爆者がいじめ蔑まれるようなことが実際にあったのだ。そんなことは現代人には想像もできない。やはりこのような漫画で知ることが出来るのは貴重。終戦後も苦労(これもこんなことばでは言い表せない)はつづく。

2013/09/28

aosora

中学の頃読んで怖かった本。内容はすっかり忘れていたけど、改めて読んでも戦争の怖さ、憎さが滲み出ている。子供達にも、戦争反対の意識を持って欲しいと思う。子供が学校の授業で戦争に関して学んだことは僅かであまり印象に残っていない模様。世界のどこかで戦争が行われていても他人事だし、日本が戦争していたことも歴史の一つと言う認識。記憶が薄れる事に危機感を感じた。だからこそ、語り部が日々、活動しているのだと合点。子供達にも読みやすい漫画と言う形でつらい記憶を残してくれた中沢さんの意を汲み取らずにはいられない。

2024/08/26

ビシャカナ

死んだ進次にそっくりな隆太も本格登場、ゲンが絵描きを志すきっかけの政二も登場。ゲンの物語が本格始動する。戦争の犠牲者であっても、世間は冷たく、家族さえもピカの毒が伝染ると蔑む。戦争が招いた人心の荒廃をこれでもかと見せつける。それでも戦争が終わってようやく広島に帰り、草も木も生えないと言われた広島に麦の芽が出た「はだしのゲン」の象徴的なシーンで平和の灯火がともる。それにしても物語としては現実感がない、政二の死のくだりはやり過ぎなほど。

2023/07/09

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