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太郎の窓

太郎の窓

太郎の窓

作家
中島信子
出版社
汐文社
発売日
2020-12-01
ISBN
9784811327501
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太郎の窓 / 感想・レビュー

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chimako

こんな風に悩みを抱えている子どもたちは想像より多いのかもしれない。自分の体と心の不一致はどれほどのストレスだろう。「太郎」と名付けられた男の子の葛藤が子どもの言葉で語られる。黒いランドセルも「僕」と言うのも男の子用の水着もミニカーも好きじゃない。可愛らしいぬいぐるみやふわふわのワンピースが好きなのにお父さんには絶対知られたくない。隠さなくっちゃ。子ども心にもお父さんが思う「普通」じゃない事が分かるから。世の中は変わりつつるが誰もが頭では理解しても難しい事も多いだろう。太郎のこれからが幸多かれと願う。

2021/03/14

とよぽん

性同一性障害の人は、30人に1人ぐらいの割合でいるそうだ。学校なら、クラスに1人いることになる。中島信子さんの著書を読むのは『八月のひかり』に続いて二作目になる。この本は、図書館でたまたま目にしてタイトルも気になって借りてきた。小中学生のみならず、大人にも読んでほしい。性別を男女二分とすることに縛られず、「あなたは、あなたのままでいい」と受け入れられる家庭や社会に・・・。杉山文野さんの著書も読んでみたい。

2021/06/03

Comit

県立図書~トランスジェンダーをテーマにした児童書。太郎が幼少期から気付き始めた自分の中の「女の子」、小学生となり成長と共に、身体と心が乖離していきます。「男」らしさを求める父、それに同調する母、唯一の救いは太郎の心に気付いた祖母の存在。ぬいぐるみこそが太郎の心の象徴、これを隠さずにいられるようになることが、周囲の理解と自分らしさへの第一歩なんだろうな。心の窓に気付いた母親は・・・強かった。まだまだ時間はかかるかもしれないけど、この家族は大丈夫~著者初読、「八月のひかり」という作品も読んでみたい。

2021/01/24

紫陽花と雨

沢山の人に読んで欲しい本。表紙の黒いランドセルでぬいぐるみを抱きしめる水色のワンピースの子が主人公です。小さい子は自分の性の違和感をうまく言葉にできないからより苦しくて悩むだろうな。男の子らしい名前が嫌でも、トイレやプールの授業が嫌でも、自分で考えて乗り越えてきたあなたはとても凛々しくて素敵だ。理解ある友達の久美ちゃん、立場は少し違うけど理解しあえる章くん、そして何よりの理解者のおばあちゃんがあなたのそばにいて良かった。こぐちゃんを抱きしめて眠ったっていいじゃない、いつまでもきっと君の味方で友達だよ。

2021/12/20

このえ

★★★★☆警察官の父親が「強くなれ」と付けた「太郎」という名前が嫌だった。幼稚園では女の子と仲よく遊び、ぬいぐるみのこぐちゃんが宝物。父親が贈るミニカーやラジコンは好きではない。小学生になり、黒のランドセルや立ってするトイレも嫌だった。おばあちゃんが太郎の心に気づいてくれたのが救い。やがて章くんという友達もできた。児童書なので幼い太郎の言葉を借りてトランスジェンダーや父親の無理解について描いている。この本をきっかけにもっとLGBTについての理解が広がっていくといい。

2021/02/01

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