民俗の知の系譜: 近代日本の民俗文化
民俗の知の系譜: 近代日本の民俗文化 / 感想・レビュー
3156
相変わらず序文がカッコイイ。客観性や実証性を重視する科学的な知のあり方を認めつつも、個別的な現場で得る民俗への実感としての知を重視する姿勢、またわたし個人の生存の素材となりうる生きた知識を志向する実感こそ、民俗研究の意義と説く。これはまさに自分も実感として思う所であり、すこし感動した。しかし、以前の飲み会で川村先生に「民俗学に興味があるのですが」と尋ねたところ酩酊した支離滅裂な口調で「民ン俗学だげはやめておげよ」と忠告された。本著より二十年の月日が経った今、先生が得た実感がそれである。
2016/04/05
感想・レビューをもっと見る