怪奇トリビア: 奇妙な怪談傑作選 (竹書房文庫 HA 1)
怪奇トリビア: 奇妙な怪談傑作選 (竹書房文庫 HA 1) / 感想・レビュー
夢追人009
今では読めない戦後の日本の混乱期に発表された怪奇色の濃いB級小説の数々を集めた貴重なアンソロジーですね。怪奇トリビアでは、聞いた人が自殺するので放送禁止になったシャンソンがある、が強烈ですね。「暗い日曜日」という曲で100人以上の自殺者を出したとの事で私も聞いて見ましたが本当に怖すぎる話ですね。艶笑悲恋の章の「神経電気」「ゴミ箱の中の裸女」は、救いのない憐れみを誘う怪奇譚ですが私は好きですね。アメリカン・コミックスの超お馬鹿な一編。『恐るべき美貌』醜女の姉が美人の妹を妬み硫酸を顔に浴びせて化け物に変える。
2020/11/03
鱒子
久しぶりに再読。カストリ、エログロ、マニアックを愛してやまない唐沢俊一さんが編集した本。昭和のナンセンスなB級小説集&サブカル一行トリビア集。マニアックな臭いがハンパないです(*^ω^*) 唐沢俊一さんの書き下ろしも2編載っています。
2017/12/29
猫丸
「怪奇」要素は無いですね。カストリ雑誌をはじめとするB級誌に載った脱力系読み切り小説を集めたものである。面白いかと言われたら返答に窮するしかないなあ。「機械人間の狂恋」という作品に唐沢氏が注釈を付けて「どこかで読んだ気がする。先行作のパクリではないか。該当作が見つからないので情報求む」とある。僕はパクリ元を知っている。直木三十五「ロボットとベッドの重量」なる戦前の作品だ。明らかなパクリである。だがそれでいい、たぶん。埋もれた作品をちょっと変えて何食わぬ顔で再び世に出すのも立派な文化事業と言えぬこともない。
2022/05/11
尾白
京極堂シリーズを読んでからカストリ雑誌が気になること早幾年。低俗、エログロ、ナンセンス、粗悪、などなど。良く言われることは滅多にないようですが、それでもある時期に必要とされていたのは、確か。どういう作品が掲載されていたのか、知れて満足。
2016/11/22
Nekono
ゾンビ映画なんかを愛好する人(私含む)なら知っているだろう。下らない故に愛着を持ってしまう、本当に、読んだからと言って、感動も大きな喜びもない、でも、ある種の感慨はあるというやっかいな物語の数々が存在することを。この本は、戦後日本のカストリ雑誌という際物本から集めた作品と出所不明のトリビアから成り立っている。どれも、作品としてのできは語るレベルにない。ないけれど、インパクト大にして脱力感も大という妙な魅力を抱え込んでいる。志が低くて低予算のゾンビ映画の魅力といえばわかる人にはわかるだろうなぁ。
2012/09/21
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