異聞フラグメント 悪霊 (竹書房文庫)
異聞フラグメント 悪霊 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
怪談実話の若手人気作家・松村進吉さんの単著ですが、本書を読んで感じたのは長所であると同時に短所でもある作風の軽さですね。私としてはもう少し重厚な話があっても良かったかなとも思いましたが、でも猫ちゃんの話は中々に切なかったですね。『タラ』遠藤さんの娘さんは四歳の時に重い病に伏せってしまい心配した母が病院を2つ、3つ、4つと回ったが原因がわからない。遠藤さんは娘さんの枕元で、うとうとしている内に夢を見る。実家の飼い猫タラが「この子の病は治りません。私が病をもらって行きましょうか?」と問う声に「お願い」と頼む。
2020/10/11
鬼灯の金魚草
悪霊が怖いのなんのって、何があってもどんなに盛り上がってもそういうスポットに行ってはいけないといつも思います。
2017/04/30
マサキ@灯れ松明の火
実話系怪談「異聞フラグメント 悪霊」。松村先生…集めに集めておられますね。取材の際は、「塩」「身代わり守り」「水晶の数珠」をお忘れなきよう…。表題「悪霊」、いけません…お話を聞かれた関係者一同、お祓いをお受けください……「タラ」、何と優しく哀しき決断を…飼い主様、お弔いをお続けください。「タラ」のために(涙)…心霊スポットなどと謂われる場所に遊びに行くとは、信じられなくふざけた精神の持ち主達でいらっしゃる…かくゆう、私の友人にも廃墟に面白半分で行きたがる友人がおり、毎回…止めるのに苦労しております……
2013/05/29
HANA
うーん、やっぱり雰囲気の作り方が上手いなあ、この作者。何が起こっているかわからないけど何かが起こっているという「ある通夜」や因縁を暗示するに留めそれが抜群の効果を発揮している「フラグメント庚」で、巻末の「悪霊」で止めを刺される。こちらまで巻き込む手法は諸刃の剣だけど、これは極めて巧妙に成功しているタイプ。普通の実話怪談も多いけれども、たまに光っている玉がなんとも言えない、そんな作品集でした。
2012/02/01
hannahhannah
異聞フラグメントシリーズ第二弾。平山夢明が監修。表紙の女がいたずら小僧みたいに舌を上にちろっと出している。「よだれ橋」は陸橋から唾液を垂らしてなんか汚い‥。「フラグメント 壬」ではドッペルゲンガーたちが登場。中にはかなり迷惑なのもいた。表題作の「悪霊」は心霊スポットで人を呪い殺していく幽霊が出てくる。さすが悪霊だわ。でも、心霊スポットになってる廃墟って、逃亡中の犯罪者が隠れていたり、不良グループの溜まり場だったり、不良組織の構成員の所有物件で、法外な慰謝料を請求されたりと結局は人間との戦いとなるようです。
2017/03/03
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