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怪談実話 叫 (恐怖文庫)

怪談実話 叫 (恐怖文庫)

怪談実話 叫 (恐怖文庫)

作家
黒木あるじ
出版社
竹書房
発売日
2012-03-29
ISBN
9784812448755
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怪談実話 叫 (恐怖文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

今回は著者には珍しい一読後しみじみと心を打たれた貴重な一編を紹介しますね。『満月』村の子供が狐に化かされ騙される被害が多発していた頃に満月の夜だけは無事だった。婆ちゃが風邪をこじらせ危なくなって隣村に嫁いだ娘に知らせに行く大役を十歳になったばかりのE氏が任された。山道の途中で突然夜空が無数の満月に覆われた時E氏は何度も土下座し狐に事情を話して通してくれと頼み込む。やがて願いが通じ元に戻ったお陰で婆ちゃの死に目に間に合う。明け方、E氏は大きな狐と二匹の仔狐を見て「お前もおっ母だから許してくれたのか」と呟く。

2020/07/12

瑪瑙(サードニックス)

今回もぞっとする話が多かったです。そんな中、『満月』だけはほっこりしました。村人をだましてばかりいた狐にも情と言うものがあったのですね。なんにせよ、見えない物への畏怖の心は忘れないようにしようと思った。

2021/07/29

ネムコ

さすがの黒木節。面白かった! 改めて、実話怪談は“人“だと思う。書く“人“の文章力。そして登場する話者の“ひととなり“も見えなくては、読者は物語に感情移入できない。黒木さんは少ない言葉とエピソードで、体験者の人物像を掴ませる。それによって読者を物語に引きずり込むのだ。良いものを読ませて頂きました。

2018/05/18

J7(読メ低浮上中)

同じく怪談好きの友人から「黒木あるじなら、漢字一文字タイトルのシリーズが面白いよ」と勧められた本書。オススメされただけあって、どれもこれも鋭いエッジが立ったような、おぞましさと後味の悪い話が楽しめる。このFKBシリーズは、あの平山夢明の監修であり、この本の著者も平山氏の薫陶を受けたらしいという話を聞いて納得。本書の怪談が持つ、エグいが面白いという魅力は、ある意味平山作品に通じるものがある。そして、そんな選りすぐりの怪異譚を多数発表している黒木あるじ氏は、間違いなく現代の優れた実話系怪談の作家なのだ。

2016/10/25

HANA

大当たり。実話怪談というとどうしても玉石混交になって、大概は石が多いのだけれども、この巻に関してはほとんどが玉であった。特に土俗と現在が地続きになったような作品、禁じられた秘仏を撮影したカメラマンに起きた怪異を描く「開帳」や遠野物語を思い起こさせる「天狗」皮肉なラストが光る「身代」、そして何が起こったのかわからないが何かが起きたという怪談の手本のような「田神」「因家」、お気に入りを数え上げていけば限がない。是非とも著者にはこういう東北在住の強みを生かした作品をこれからも書き続けていってもらいたいものです。

2012/03/31

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