対決‼ 片桐且元 家康 真説 大坂の陣 (竹書房文庫)
対決‼ 片桐且元 家康 真説 大坂の陣 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
鐵太郎
読み始めてなんだと思ったら、小学館から出たハードカバーの「片桐且元」とほぼ同じ。でもまぁ、何年かぶりに輝一郎節を堪能。この作家って、馬鹿だけな人、腹黒いだけの人、卑怯だけの人を描く事は決してしませんね。常にそれぞれの登場人物の、欠点と長所、それなりの正義、それぞれの理想をきちっと語ってくれます。片桐且元という人物についてのやりきれない、しかし面白い歴史解釈と共に、あらゆる人の生に意味があったのだと示してくれました。いいなあ、こんなお話。
2014/10/18
Gen Kato
最初は主役である片桐且元の心情に沿って読んでいるのだけれど、そのうち淀殿や秀頼の思いにも惹かれていく。且元も淀殿も、豊臣家を生かしたい心は同じ。ただ、その「生かし方」の考えが違ったのだ。どちらの気持ちもわかる、その葛藤と相克に、いつしか引きずり込まれている。単純な「悪役」は登場しない。すべてを見ている、忍びの五郎太の視線が効いています。五郎太…(泣)
2014/08/03
じょるじ
の話をし真説と呼んで良いのかはわかりませんが、後半の急展開は面白かったです。且元と信雄の対比は笑えました。ただ、泥棒上がりの一人忍びに過ぎない五郎太が賢すぎるんじゃないでしょうか?最期は見事でした。
2014/09/03
香月謙信
読めば読むほど、且元の報われなさが辛くなっていきました。戦国武将というのはこんなに孤独で自分の力しか恃むものがなかったのかと。でも、よく考えたら私たちのビジネスも、裏目が続くこともあれば思い通りに行かないことも多い。ラストは自分の有り様と比べながら読んでいました。
2014/07/26
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