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FKBふたり怪談 (竹書房文庫)

FKBふたり怪談 (竹書房文庫)

FKBふたり怪談 (竹書房文庫)

作家
松村進吉
黒木あるじ
出版社
竹書房
発売日
2012-11-29
ISBN
9784812491867
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FKBふたり怪談 (竹書房文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

ふたり怪談企画の最初の一冊は二人の師匠ともいえる平山夢明さんが新しい領域に挑めと半端ないプレッシャーをかけた成果として生まれた真剣勝負の入魂の作品集で二人共に甲乙つけ難い出来栄えの恐ろしさ満点の良作揃いでしたね。まあ少し気の毒だとは言え、でも作家にとって芸の肥やしになるのだから、こういう試練も偶にはいいなと思いますね。『刺青』黒木あるじ:ベテランの彫り師に聞いた話で彼曰く「人間が一番怖いなんてなあ嘘だよ、一番怖いモノってなあ、目に視えないんだよ」との事である。刺青には「してはならない事」禁忌があるそうだ。

2021/02/20

HANA

実話怪談。この二人なら安全だろうと心配なしに買う。結果は外れではなかったものの。黒木あるじはやはり地方色豊かな作品にいいのが多い。何となく民話を聞いているような「シシ」と「棚田」が出色の出来。怖いというのはちょっと違うけど、後者は遠野物語みたい。そういう意味では「鬼鮨」が一番良かったかな。松村進吉は怪談とは方向性の違うヤバ目の話ばかり。「日記」とか「化身」とか実に嫌な気分になれるのだが、こういう話は昔実録という形で随分と出ていたな。やっぱ平山越えというのを意識しすぎているのかな。

2012/12/02

みくろ

黒木さんと松村さんの怪談共著。黒木さんが心霊もので松村さんが変人もの(?)と種類が分かれているので一度に二度おいしい読後感。自分自身に霊感も何もないせいか、個人的に心霊ものは単純に物語として楽しむ傾向があるが、逆に生きている人間の話は必要以上に怖く感じる。そのため「金魚」や「日記」など、本人には何がどう見えていたのか考えるだけでゾっとしてしまう。一方、黒木さんは今回いろいろな職業の方から怪談を伺っており、「占師」や「延長」など、なかなか聞けない世界の話を読めたのは嬉しい。黒木さんのネタ探し根性には脱帽。

2015/07/28

hannahhannah

怪談作家二人が激突する、ふたり怪談シリーズ第一弾。平山夢明が監修。今回は黒木あるじvs.松村進吉。黒木あるじは全てオカルトホラー。どれも面白い。「延長」はストーカーもヤバいし、イタコの婆さんに降霊してきたモノが何なのか分からなくて怖かった。松村進吉の話は被害妄想、シンナー中毒、アルコール中毒、統合失調症、ストレス、認知症、事故の後遺症などからの幻覚や幻聴、思い込みに苛まれるという感じだった。う~ん、特に面白くなかった。「日記」なんか昔は優しいお姉さんだったのに、ああなってしまう原因を想像すると悲しくなる。

2017/03/11

パブロ

スゲ〜よ! 松村進吉ったら、実話怪談の禁忌をブチ壊しちゃったんじゃないの。精神病の人がいかに変異な光景を見ているのか、「幽霊を見たり、誰かに見られたりなんていう心霊体験は、ひょっとしたら精神異常かも…」というこの図式を、ど真ん中の豪速球でズバッと書ききっているんだもん。中島らもとか島尾敏雄なんかが、この狂った世界を描いているけど、実話という名目上では度肝を抜かされましたよ。落ち込んでいたり、疲れていたりするときは、読んじゃいけないッス。あっちの世界に引き込まれますよ…。

2012/12/03

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