FKB 恐怖女子会 火炎の呪 (竹書房文庫)
FKB 恐怖女子会 火炎の呪 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
夢追人009
実話怪談作家四人の女子会アンソロジーはそれぞれの個性が出てよかったですね。通して読んで思ったのは基本的にこの稼業は暗いのは駄目で陽気な性格でないと勤まらないなと実感しましたね。『時間を盗んだ話』岡本美月:東北地方に住むサラリーマンのクリハラさんが寝坊してしまい8時20分に車で家を出て遅刻を覚悟し会社に着くと何とまだ9時40分で余裕で間に合った。それから試しに同じ事を繰り返すと楽勝で早く着く。だが暫く後に妻から疲れているみたいねと声をかけられ鏡をのぞくと老けた60代の男が見えて普段通りに戻すと老化が止まる。
2022/04/04
HANA
実話怪談集。前巻とは違い、全員がオーソドックスな実話怪談ばかりになっている。あの独特の女性ならではの怪談、好きだったのに残念。収録されている各編は、水準以上の作品ばかりだがそれでもやはりパンチに欠ける。一つだけとても嫌な話があったが、それは心霊というより肉体的な嫌さだしなあ。アキレス腱はやめれ…。個人的にはやはり女性だけの怪談集と銘打つならば、前作にあったようなポスト岩井志麻子みたいな作品があって欲しいと思うわけです。他の実話怪談集と比べて、男女間のドロドロとした作品が多かったような気もするのですが…。
2014/01/10
ラルル
男性著書を読んでいる時に感じる「え、そこその程度の扱い?」と思う文章の微かな不満が無い!柔らかで女性視点の文章は男性著書に慣れている私には痒い所に手が届く心地良さでした。あぁこんなに違うのかと目からウロコです。そして女性ならではの怖さ。ガツンと来るのではなくドロっとじわっと優しくナチュラルに怖い。大変良かったです。
2015/06/23
のりすけ
女性による実話怪談?全く怖くなかった。私、マヒしてるんやろか?短くサクッと読めるものばっかりなので待合室で読む分には…。カバーはかけておかないと疑われる程度の装丁。田辺青蛙さんのが良かった。あと「さわちゃん」。お前誰やねん?
2022/06/17
パブロ
女だらけの実話怪談(ポロリはないよ!)の第2弾。前回読んでブッ飛んだ田房永子がいないのは残念だったけど、この本も相当面白い。淡々と起こった事実をそのままに筆に載せ、平谷美樹との共作で実証済の岡本美月。とぼけた感じから一転、日常を歪ませる手腕を見せる田辺青蛙。そして、明神ちさとの筆力もなかなか。中でも、私は女性の怖さ、嫌らしさをここまで描くかと思わせてくれた橘百花がもっと読みたい! FKBシリーズの中で、『ふたり怪談』とこの企画は白眉です!!
2013/12/17
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