FKB 怪談五色 (竹書房文庫)
FKB 怪談五色 (竹書房文庫) / 感想・レビュー
HANA
実話怪談集。オーソドックスな怪談から怪談エッセイ、妙な話の売買まで幅広く収められている。斯界の実力者ばかりが書いた作品ばかりが収められているために、どの話も安定感はある。ただ安定してるって事はそれだけ刺激からも遠いわけで、特にこれといって印象に残る話があるわけではないんだよなあ。「解放」とか「ダブル役満」みたいな自体の原因だけを知っていて、そこで何が起こったのかわからないという話は悪意に満ちて面白かったけど。それでもエッセイ調の作品とか、生の声が印象的な売買録の方が記憶には残る。実話怪談読みすぎたかなあ。
2014/01/05
あたびー
5人の作家による実話怪談競演。大好きな朱雀門出氏のものは特に楽しんだ。話すと災が起きる「白い鬼」の話、書いたらどうなるかと思って書いてみたって、どうなったんだろう?人形の沢山おいてある部屋に泊まって小人に囲まれ、ホームレスの男性に「小人に人気があるからって、調子に乗んなよ」と言われてしまう「こびと人気」など、訳わかんない話がほんとに好き。宇津呂鹿太郎氏に倣い黒木あるじ氏が行った「怪談売買録」も面白かった。ブースが冥く見えたと言われたのとかリアリティがある。元旦に死ぬと言われていた人はどうなったのだろうか。
2022/03/15
きょちょ
五人の作家の怪談話。 残念ながら「怖い」と感じたものは1作もなかった。 ただ、朱雀門出とつくね乱蔵(どちらも初めて知った作家)の二人の話は、小説的な面白さはあった。 ★
2018/10/11
hannahhannah
五人の作家が怪談を紡ぐ怪談五色シリーズ第一弾。平山夢明が監修。黒史郎の話で「黄色ばばあ」でまたババアが登場。黒さんはババア怪談を好きすぎだ。「尿臭」の最後も凄かった。朱雀門出は全体的に薄味で楽しめなかった。伊計翼は怪談エッセイ一本。エッセイは全く好きでないので面白くなかった。黒木あるじは大学の学園祭で収集した話。悪くないが、黒木さんならもっと面白いはずと思ってしまう。つくね乱蔵はいつも通りむせ返るような悪意や怨みの臭いがプンプンする話。いつも通り作り話臭もプンプン。珍しく「笑顔の記念写真」は良い話だった。
2017/07/22
澤水月
大傑作アンソロ。非常に失礼な言い方で恐縮だが、つくね氏がこんなに切なさと不気味さを混ぜ、かつ力強く芯の太い怪談を書かれる方だったとは思わず感服、どの1話も文学賞レースに乗れるハイレベル怪談、トリも納得。指切りげんまんの不謹慎な厭さ、永遠に会えないの切なさ…。黒氏「尿臭」強烈、伊計氏のおっちゃん関西弁で流れるように書かれる文体も面白く(寺の話秀逸)、安定の黒木ブランドはまた非常に凝った構成の文体と年齢別体験談、リアルタイム発生事象記録が興趣深い(何故か目次が仮タイトルのままみたいなのが気になるけど…)。
2013/12/01
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