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夏の子供 (SHYノベルス)

夏の子供 (SHYノベルス)

夏の子供 (SHYノベルス)

作家
榎田尤利
茶屋町 勝呂
出版社
大洋図書
発売日
2009-07-30
ISBN
9784813012023
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夏の子供 (SHYノベルス) / 感想・レビュー

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エンブレムT

色彩で例えるならば彼の色は白。決して明度が高いわけではない。かといって色味が無いというわけでもないのだけれど。混沌として、むしろ暗く重い様々な色を抱え込んでいるのだから。それは色というよりも、『光を反射する』というような性質からの連想なのかもしれない。この巻の彼は、記憶から締め出していた自らの重い過去と向き合うことによって、心の中を徐々に清算していきます。久留米と想いが通じれば、庇護される者として安定するのだろうとどこかで考えていた私の予想は、良い意味で裏切られました。・・・とても、とても良い物語でした。

2013/06/18

りゅう☆

久留米ってばとうとう理性抑えられず発情しちゃったね♡これでやっと二人の関係は落ち着くかな?と思ったけど、なかなか順調ではない。魚住がPTSD発症、でも何もできず悩む久留米。自分で治すしかないのだ。二人で過ごしたことのある久留米のアパートの半壊、そして魚住にアメリカ留学の話が持ち上がる。魚住が決意するまでの二人の距離、関係、愛と人生の葛藤。それを乗り越えての今。でもまだ二人の関係はここで終わらない。もう一度『夏のリング』読まねば!/カドフェス対象本だった角川文庫版『夏の塩』で初めて榎田さんの作品を手に取り→

2020/10/31

浅葱@

「小さな魚になって、河から海へ泳ぎだそう。」失ったもの。得るもの。変わらないつながり。失いたくない関係。事故以降の苦しさ。泳ぎだすためにみんな必要だったんだね、魚住。バランスを失ったところから気づく温もりや居場所。「出会えた人を数えなさい。」気づきと再生は魚住も太一も同じだったね。涙が出る。いちばん変わらない久留米に安心した。

2015/08/17

藤月はな(灯れ松明の火)

様々な人々と関わっていくことで魚住君が人だけでなく、自分のことも大切にするようになったことがすごく、嬉しかったです。久留米と魚住君が別れることに寂しいと思っていても執着して依存しない関係性が良かったです。世では素晴らしいことのように唱えられているが時々、物みたいに扱う家族の束縛、相手の気持ちを考えない傲慢さ、隣り合わせの死があっても悲しみと愛おしさを抱えて生きていく姿に心が柔らかな光に包み込まれたようでした。人であることの弱さと強さを持ってこれからも歩んでいくのだ。

2012/04/01

フキノトウ

ここに登場する人物は、どこかに存在しそうで、どこか嬉しいような気分になりました。「夏の子供」が一番好きです。お祖父さんと、お祖母さんがとても温かくて大好きです。魚住が養母たち家族を思い出すシーンに涙しました。思い出せて、よかった。

2014/02/07

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