交渉人は嵌められる (SHYノベルス)
交渉人は嵌められる (SHYノベルス) / 感想・レビュー
エンブレムT
「先輩。なんのコスプレです、そりゃ」ノリノリでヤクザを演じてる芽吹の後ろから本物ヤクザの兵頭が登場~!その居たたまれなさを、ものまね番組の大御所登場シーンに見立てて冷静に解説しちゃうあたりがまた秀逸で(笑)いやシカシ、読者的には楽しくて仕方ないけど、芽吹は毎度自らの身体を張り過ぎですよねー。『交渉人』シリーズの4作目。なんかもう『交渉人』というよりも『何でも屋』って感じが無きにしも非ずです。今巻対峙するのは、どこか憎めない詰めの甘い結婚詐欺師。そして、芽吹の心の傷にも大きく関わっている凄腕の詐欺師。
2013/07/04
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
忘れられるはずもない、芽吹と親友の過去。氷の刃は冷たく鋭い傷みを伴い心の奥深くに突き刺さる。解けて見えなくなってもその感触は今でも芽吹を苦しめる。「振り返る」再読直後なので余計に朝比奈に監禁された時に芽吹が見た幻覚・幻聴が痛々しく思い出される。嵌められ叩きのめされた芽吹に、環からさらに精神的攻撃が・・・ギャーですよ!「諦めない」持ってなかったら。
2010/11/03
セシル
漸く芽吹の過去に焦点が!奈良さんの的確な表紙から覚悟をしていたけれど、トラウマになるのも無理はないなぁ…と芽吹の胸中を思い、なんとも切ない。ひたすら「信じたい、自分を諦めたくない」と繰り返す…仮に愚かだとしてもそんな彼が好きだ。若干ツッコミ所があれど、視点が多様で伏線の仕掛けが面白く、現在と回想が入るので、一度築いた話を壊して再構築していく感覚?で読んだ。利害の相反で不穏な2人でも、兵頭の名台詞「信じちゃいないが、惚れてる」を私は信じます。続きでは挽回&男気を見せてくれるよね芽吹!『諦めない』へダッシュ!
2010/11/21
はつばあば
何これ!って読み終わったとたん絶句。人を信じるのはいいが、ここまで甘ちゃんだとは思わなかった。自分の両親から親友までもが自死ではやりきれなかったろう。でも兵頭にはヤクザってものの立場もある。年始の和気あいあいとしたお雑煮シーンの時間がもう一度戻せるものなら、芽吹も詐欺師等にだまされないで兵頭を取られる事も無かったろう。・・・生きている者を選ぶか、死んで、いない者に操をたてるか・・子連れ再婚に悩むのと同じ心理だろうな
2018/06/17
LIV
再読。交渉人シリーズは好きなのだけどこの本を読み返すのはちょっと勇気が必要だよなぁ…と思ってしまうほど芽吹の過去が辛い…。芽吹が人をあれほど『信じたい』と強く思う理由が分かった回でした。兵頭は自分よりも死んでしまった親友を取るのかと言っていたけど、芽吹は親友ではなく、過去を乗り越えるために選んだ道だったと思う。でも惚れまくってる兵頭からしたら芽吹の選択はキツイ。思わず同情してしまった。…それにしても前半のテクノロジーは持ち込まない主義…本当に至言ですわ(笑)
2011/01/13
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