眠り王子にキスを (SHYノベルス313)
眠り王子にキスを (SHYノベルス313) / 感想・レビュー
匠
相手である宮村の実家の雰囲気、宮村のお母様や宮村自身の言葉や態度が、僕の体験と全く同じで個人的なリアリティを感じ、深く感動できた作品だった。ノンケであってもこういう人達って本当にいる。そこに葛藤を求めてしまう読者は無意識に同性愛と異性愛の愛情に線を引いてしまってる人なんだと思う。友情であれ愛情であれ、情は情なのだ。ただ堀の自虐的なまでの卑屈さには時々胸が苦しくなったし、堀の実家や中学時代の担任には怒りしか感じなかった。今後は宮村にたくさんの良い影響を受けて、堀がどんどん明るく変わっていったらいいなと思う。
2014/01/26
JUN+
篤史のあまりの切なさといたたまれない想いと、宮村の実家での温かい雰囲気に中盤から涙腺崩壊してしまい、何度かページを閉じて小休止したけれど、読後感がとても良かった。ゲイであることがすべての諸悪の根源と疑ってやまない篤史の心の内は、宮村のような人でなければ癒せないと思う。そして宮村にとっても繊細な篤史の存在は大きいのではないかと推測できる。そういう意味でキセキの出逢いだと納得するし、この二人なら今後何があったって乗り越えていけるんじゃないかな。でも「熟練の金属加工の職人が」って台詞にはここで言う?って笑った!
2014/01/24
miyu
正直に言う、私はこの物語が大好きだ。誰になんと言われようが構わない。"王子"と書いて"ひめ"と読ませる強引さはあるが不憫受け万歳!そんな篤史を最初からロックオンしつつさり気なく距離をつめる善人・宮村がまた素敵。彼は良き家庭に育ったまさに真っ当な男。だからこそ家族愛に恵まれなかった篤史が惹かれたのだろう。BLお待ちかね(?)のエロシーンは、それほど濃くないがこれがまた宮村の印象を打ち破るような(笑)意外性に満ちていて個人的にツボ。私はBLにめくるめくエロスよりも得難いドラマを求めてるんだと自覚した。大好き。
2018/02/28
タビサ
『いつも王子様が』とコラボ作品。リーマン・宮村×デリと料理教室を開くゲイ・篤史。ゲイである事に引け目を感じている篤史が不憫。そんな風に思わせてしまった家族が最低。母親の行動も、相談を受けた教師の行動にも唖然。弟の態度も腹立たしい!それでも自分を責め、家族に申し訳ないと思う篤史が切ないです。宮村がとても素敵な男性で良かった。大らかで真面目だけどスマートさもあり、優しくてイケメン、素敵男子でした。彼の家族も素敵で、特に母親が温かい人で彼が素敵男子に育つわけだと納得。宮村に愛されて篤史が幸せそうで良かった。
2016/06/15
とも*
過去のトラウマと家族との不和から自分に自信がなくて一生恋愛はしないと決めているデリのオーナー兼シェフの篤史と、そこに買いにくるリーマン宮村。恰好いいなと思いつつ密かに眺めているだけだったのに宮村から料理教室で習いたいと言われ客兼生徒の関係になったと思ったら「お友達」に進展したり、でも人付き合い下手なのと恋心を隠しているので距離感のイマイチ掴めない篤史のぎこちなさがせつなかった。宮村の距離の詰め方があれだなーと思って読んでいたら結構腹黒策略家なのが楽しめたし、実は今までと違って押せ押せだったのもいい。→続く
2013/12/26
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