囀る鳥は羽ばたかない 1 (H&C Comics ihr HertZシリーズ)
囀る鳥は羽ばたかない 1 (H&C Comics ihr HertZシリーズ) / 感想・レビュー
海猫
いろんな意味で濃厚な内容で、読むのに時間が掛かった。と、いうより濃密な時間を過ごしてしまったということか。構成が素晴らしく人物描写、人間関係が堅牢な建築物の土台が組み上げられるがごとし。キャラクターの立ちようも良く、やはり中心人物になる矢代の屈折した造形が素晴らしい。ヤクザ社会という装飾もたいへんよろしく、そこはかとなく漂う暴力がスパイスとして効いている。まだお話としては土台固めの段階と思うので、ここからのドラマ展開がどう乗っかていくのか大いに期待したい。
2015/12/08
エンブレムT
光の当たらぬ仄暗い世界を、嫌悪しながら堕ちていく。自らの狂気が重しとなって、深く深く堕ちていく。そこは暴力に彩られた世界。「そういうふうに」しか生きることが出来ない男たちが蠢く、光の当たらない世界。「寂しい」「寂しくない」。「恋しい」「恋しくない」。覗き込んだ自分の心の底にあった矛盾。それはなかったことには出来ないけれど、目を逸らし、気付かなかったふりをすることは出来る。そんな風に笑って生きてきた矢代。彼には幸せになって欲しいと心から思う。けれど・・・彼の望む幸せは、たぶん私の考えるソレとは重ならない。
2013/03/03
匠
クールさにすごく引き込まれるし、タバコ臭い中にユーモアのある会話が面白く、映画一本観ているような内容の濃さと奥行き、素直に楽しめた。それぞれのキャラに魅力があるし、特に矢代にはその矛盾した想いと快楽の矛先に興味が持てる。読み終えて、なんとうまいタイトルだろうと思った。まだ続編があるようなので、百目鬼がどう変化していくのか気になる。
2013/03/17
JUN+
2巻を読了後、ドラマCDを聴いたので再読。2巻を読んでからこちらを読むといっそう深みが増して良かった!単なる快楽探求型の変態にしか見えない矢代の抱えた空洞や影山と矢代の高校時代も愛しく感じ、報いや救いというものの本質をすごく追求してみたくなる。また、百目鬼の頑ななまでの一途さと従順さはまさに大型犬のようで、百目鬼と影山がほんの少し重なって見える。なので彼らの変化がものすごく楽しみになる。そしてさりげなく年季の入った色気を感じさせる三角がまた素敵だ。とにかくどのキャストにも無駄がなく、みんな魅力的。
2013/12/18
フキノトウ
矢代が家に帰ってきてから、泣くところが、グッときた!やっぱりヨネダ先生素晴らしい!!矢代が辛い目に遭っても矢代の性格で辛さも半減。矢代スキ。百目鬼との今後がものすごく気になる!早く続刊出ないかな・・・
2013/05/07
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