もう一つの金融システム―近代日本とマイクロクレジット―
もう一つの金融システム―近代日本とマイクロクレジット― / 感想・レビュー
ゲオルギオ・ハーン
金融システムと聞くと中央銀行と銀行を中心に論ずるが、本書は「もう一つの金融システム」として、庶民の小口貯蓄として郵貯、産業組合による貸出の仕組みが戦前戦後の日本における資金の流れにどう影響したのかを研究している。興味深い点が多く、そもそも日本人の貯金志向を形作ったのは統計でみても郵貯によるところが大きい(というのも切手を利用すればどんな人でもいかに少額でもお金を貯められるなど貯金しやすい制度を整備していた)。産業組合の有無は地域社会の不況への対応力どころか存続にまで影響していた。
2022/05/12
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