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月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ)

月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ)

月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ)

作家
萩原朔太郎
出版社
日本図書センター
発売日
1999-10-25
ISBN
9784820519966
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月に吠える (愛蔵版詩集シリーズ) / 感想・レビュー

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まさむ♪ね

ひときわ妖しく淋しげに光りかがやく孤独の恒星に、色も形も異なる美しい星たちが重なりあいそして生まれる奇跡のような蒼い星。月夜に閃く悲しみの刃。どんな闇よりも濃くどこまでもつきまとう影にひたすらおびえすすり泣く犬。夜の街を切り裂く銃声二発。満月を穿くように生える青竹はいよいよ勢いを増し、その地中に張りめぐらされたしなやかな根は先端にいくほどに細く鋭く研ぎ澄まされてゆく。この世のどんなものよりも繊細な月の光を鈍く反射する冷たい大地の底の底、はかり知れない闇の奥に在るブヨブヨの光の卵、掌にのこる幽かな温もり。

2016/07/18

ばりぼー

序「我のかなしみは彼のかなしみではない。彼のよろこびは我のよろこびではない。人は一人一人では、いつも永久に、永久に、恐ろしい孤独である。」「過去は私にとつて苦しい思ひ出である。過去は焦燥と無為と悩める心肉との不吉な悪夢であつた。月に吠える犬は、自分の影に怪しみ恐れて吠えるのである。疾患する犬の心に、月は青白い幽霊のやうな不吉の謎である。犬は遠吠えをする。私は私自身の陰鬱な影を、月夜の地上に釘づけにしてしまひたい。影が、永久に私のあとを追って来ないやうに。」

2021/07/26

まゆまゆ

ずっと読んでみたいと思っていた萩原朔太郎の詩。ようやっと…(*´`) 序文に、「詩の概念やことがらではなく、その奥にある感情を感じてもらいたい」とあり、一つ一つの詩が、どのような感情の元で書かれたのか、詩に描かれている風景をどんな気持ちで見つめていたのか、という事を自分なりに考えながら読み進めました。感じたのは、大きな”悲しさ” ”虚しさ”。それらに取り囲まれた詩の中にある”よろこび”。これくらいかな。極限の”苦しみ”は、自分自身も極限まで苦しんで苦しんで苦しみ抜かないと分からないのかもしれません。

2016/08/26

ちゃっぴー

まず北原白秋の序に心をぐっと掴まれた、素晴らしい名文。 読んでいるうちに朔太郎の深い孤独感と悲しみに自分も浸っていく。鬱蒼としているがなぜか惹かれる。再読したとき、どのように感じるのだろう。

2019/04/30

ぱんちゃん

『月に吠えらんねぇ』から興味をひかれて。『掌上の種』と『さびしい人格』が好きです。言葉のリズムが好きだと感じたし、[ああ、けふも月が出で、有明の月が空に出で、]のように2度繰り返すことでその事象をより鮮明に読み手に意識させる感じが美しい。全ての詩の解説が知りたいなぁ。自分一人では限界を感じました。

2017/02/04

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