江藤淳: アメリカと私/戦後と私 (シリーズ・人間図書館)
江藤淳: アメリカと私/戦後と私 (シリーズ・人間図書館) / 感想・レビュー
Haruka Fukuhara
江藤淳というと私の中では若かりし頃の夏目漱石について書いた文章が印象的で、才気煥発なれどゆとりのない窮屈な文章を書く人物という偏見があった。この文章はいつの時期にどのように書かれたものか調べていないが、とてもゆとりのある落ち着いた筆致で描かれ、老成を感じさせた。文は人なりと言うが、人は成長するし文も変遷するものだな、と感じた。アメリカに行って感じたことなど、素直に述べていて面白い。
2017/01/27
読書家さん#mdQf51
「アメリカと私」 完全な外側でも完全な内側でもないところから見たアメリカ像がアメリカでの生活の描写から浮かび上がってくる。 ラフカディオ・ハーン『日本の面影』に少し似ているのは、異国を訪れた紀行文だからか。 別の世界において自己を見つめ模索する。 鋭く明確に言語化された文章は批評家ならではだろう。 「一族再会」「なつかしい本の話」なども江藤さんの個人的体験が綴られているのに、自然と受け入れられる感情や考え方に溢れていた。
2021/04/08
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