フランスの大学生 (ぶんか社文庫 え 4-1)
フランスの大学生 (ぶんか社文庫 え 4-1) / 感想・レビュー
Kei
フランスに行く機会があったので読んでみましたがタイトルとは裏腹に非常に暗く重く寂寞とした内容でありました。
2019/02/28
ひつじ
前半は1950年代のフランスの大学生の宗教と政治への意識にスポットを当てたもので、後半は遠藤氏の好きな作家のゆかりの地をめぐっての手記(ブルジョワ社会の文学、サディズム、男女の性に対する相違、宗教と肉欲など)です。これを読んで、やはり遠藤周作の文章の根底にあるのはフランス文学なのだなぁと再認識しました。彼の小説に私が感じていた違和感は日本人が書いた日本での話なのにフランスの石畳の道の腐水の臭いがするところでした。彼がその上に懐疑とともに積み上げる美しいものの片鱗はこの頃の方が分かりやすい気がします。
2012/10/19
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