混ぜる教育
ジャンル
混ぜる教育 / 感想・レビュー
Sakie
誰も彼も大学に進学できる時代、専攻と職業は必ずしも繋がらない。では大学へ進学した意味は何だったのかと、何度も自問してきた。今思うのは、大学時代はその環境、得た経験で人格をつくる時期だったということ。目の前に15歳の私がいたら「騙されたと思ってAPUへ行け」と言いたい。国際人になる為、国際的な企業に就職する為ではない。"サラダボウルのように"混ぜることで生じる視点や感覚は、現代の細分化された環境では得られ難いのだ。『「混ぜる」というのは混沌を認めること』。それこそ多様性の自覚、生きていくための強さだ。
2019/02/27
isao_key
今年非常勤で大学に来たタイ人の女性の先生が、APU出身だと聞いていたら、本書を見つけ注文する。海外の学生が日本の大学や院に入学したいと思っていても、お金以外でいちばん困るのが言葉の壁である。通常はタイで4年間日本語を専攻していても、卒業後すぐに大学での日本語の授業についていくのは無理で、最低半年から1年の日本語学習期間が必要となる。この期間がもったいない。それなら英語で勉強ができて、同時に日本語も学べるようにしたのがAPUである。今まで日本にはこのような大学はなかった。学生目線の大学がやっとできたと思う。
2016/10/07
しろくま
学生の50%が留学生、出身国50か国以上、教員の50%が外国人、という「3つの50」を実現している立命館アジア太平洋大学APU。別府という地方の温泉街に「スーパーグローバル大学」が!この本はAPUの「混ぜる教育」について書かれています。日本も、このような大学がいずれは当たり前になるときが来るのかな?APUの教員、職員、地域、学生、企業がうまく混ざりあっていい方向へ行っていることが伝わってきます。明るい未来が確かに感じられます。日本語でも英語でも学べる大学。そして最終的に絶妙に混ざっていく!
2017/01/02
みさと
「学生の50%を海外からの国際学生に、その出身を50カ国・地域以上に、教員の50%を外国人に」という「3つの50」を条件として大分県別府市に開学された超国際大学APU(立命館アジア太平洋大学)。授業は全て英語と日本語の二本立て。世界の様々な国から集った学生たちが混ざることで、面白い化学反応が起きる。日本人学生と外国人学生を混ぜる、授業を混ぜる、教員と職員を混ぜる、大学と地域を混ぜる、大学と企業を混ぜる、世界と日本を混ぜる。APUが実戦する混ぜるマネジメントの成果を追う。日本の進むべき未来の姿がここにある。
2023/09/29
Roy
立命館アジア太平洋大学(APU)の設立から教育内容に関するコンセプトについてをまとめた書籍。設立当初の先見性や3つの50といった目標設定などこの業界の者から見ると驚異的といっていいことを成し遂げた大学と言える。この本の後もライフネット生命の出口氏を学長に迎えるなど、日本の既存の大学と一線を画する取り組みは注目に値する。国内の大学間競争ではなく世界と渡り合うという観点でこの大学が何をしていくのかこれからも見ていきたい。
2019/01/13
感想・レビューをもっと見る